詰将棋ジャーナル賞受賞作品紹介(第17回)

本日の記事は、第17回詰将棋ジャーナル賞の受賞作紹介です。

対象は1989年7月号から1990年3月号までの発表作。
ジャーナル賞に平松準一・伊藤安紀・岡本眞一郎氏の作品が輝きました。また、ジャーナル賞佳作賞が新井健・宮田卓也氏の作品に贈られました。


ジャーナル賞 平松準一作

将棋ジャーナル198911平松準一

平松準一作(1989年11月号) 詰手順
6四馬 5三桂 同馬 2二玉 1四桂 1三玉 2五桂 1四玉 1三桂成 同玉
1五香 2二玉 1四桂 1三玉 3一馬 同金 2二桂成 同玉 1二香成 まで19手詰

初手は5三馬ではなく6四馬として、合駒を得る必要があります。手順に1三歩・1四桂を消去し、1五香と打って一安心。再度の1四桂から、3一馬が決め手となりました。




ジャーナル賞 伊藤安紀作

将棋ジャーナル198911伊藤安紀

伊藤安紀作(1989年11月号) 詰手順
1四飛 ②1三角 1一金 2二玉 ⑤3一角 同玉 3四飛 2二玉 3三飛成 1一玉
1三龍 ⑫1二金 5五角 ⑭4四歩 同角 2一玉 3二と 同玉 3三龍 4一玉
4二歩 5二玉 5三龍 6一玉 6二龍 まで25手詰

変化
②1三金(銀)は、1一金、2二玉、3一角、同玉、3四飛、2二玉、3三飛成、1一玉、1三龍、1二合、2二金(銀)まで。
⑫1二飛は、4四角、2一玉、1二龍、同玉、1一飛、2三玉、3三角成まで。
⑭4四桂は、同角、2一玉、3二と、同玉、2四桂、4二玉、5三角成、4一玉、4三龍まで。

盤面3枚・持駒3枚の簡素図式。見せ場は13手目5五角(6六以遠も可)と4四歩の応酬。前者は2一玉の変化を3二と、同玉、1二龍、4三玉、4四金で詰ませる、後者は前者の変化が詰まないようにするといった意味があります。3二と、同玉に3三龍と龍を横に使い、収束となりました。
残念ながら、⑤3三角以下でも詰みがある模様です。




ジャーナル賞 岡本眞一郎作

将棋ジャーナル198912岡本眞一郎

岡本眞一郎作(1989年12月号) 詰手順
1九香 ②1八角 2六と 同玉 1七角 2七玉 3七飛 1六玉 3六飛 ⑩同角成
5三角成 1八馬 同香 2七玉 1七馬 3六玉 2七角 同桂成 3五馬 まで19手詰

変化
②1七歩は、2六と、同玉、1七角、2七玉、2八歩、1六玉、3六飛まで。

初手遠くから香を打つ手に、1八角で対抗。取ると2七玉~1八玉で詰まないので2六とと捨てます。同角成(不成も可)で動いた角が、5三角成(6二・7一角成や不成も可)に対して1八馬とさらに移動するのは他に手がないとはいえ派手。1七馬と戻ってきて、2七角の捨駒で締めくくりました。
1枚の駒が同じ地点に中合と移動中合するという、面白い作品でした。




ジャーナル賞佳作賞 新井 健作

将棋ジャーナル198909新井健

新井 健作(1989年9月号) 詰手順
2一角成 同玉 2三龍 ④1一玉 1三龍 2一玉 2三龍 ⑧2二角 3二馬 1一玉
1四龍 ⑫1三歩 1二歩 同玉 2三龍 1一玉 2二龍 同銀 2三桂 同銀
3三角 1二玉 2二角成 まで23手詰

変化
④2二歩(香)は、3二馬、1一玉、1三龍、1二合、2三桂、同歩、3三馬、2一玉、2二馬まで。
④2二角は、3二馬、1一玉、2二龍、同銀、2三桂、同銀、3三角、1二玉、2二角成まで。
⑧2二歩(香)は、3二馬、1一玉、1三龍、1二飛、同龍、同玉、1三歩、同玉、1四飛まで。
⑧1一玉は、1四龍、1三歩、同龍、2一玉、2二歩、同銀、同龍、同玉、2三銀、1一玉、1二歩、2一玉、3二馬まで。
⑫1三香も可。

4手目1一玉と、1三歩をただで取らせる手は玉方にとって損のようですが、後に上部へ逃げる狙いを秘めたいわゆる「不利逃避」。数手進んで1四龍とソッポへ移動。歩(香)を再生させ、2三龍、1一玉となった局面は、4手目2二角の変化で、3二馬、1一玉まで進めた場合と同一です。以下は3二銀を2二経由で2三に移して解決となりました。派手な手こそありませんが、玄人受けする作品と思われます。




ジャーナル賞佳作賞 宮田卓也作

将棋ジャーナル199001宮田卓也

宮田卓也作(1990年1月号) 詰手順
1四飛 1二金打 2二金 同玉 1三飛成 同玉 2五桂 2二玉 3三角成 2一玉
1三桂不成 同金 1一金 まで13手詰

1二金打合は、4手目の局面で3四桂とする紛れに備えた手です。金を取った直後の1三飛成が強烈な捨駒。以降も打った桂をさばき、ご満足頂ける仕上がりではないでしょうか。

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