詰将棋ジャーナル賞受賞作品紹介(第14回)

本日の記事は、第14回詰将棋ジャーナル賞の受賞作紹介です。

対象は1988年1月号から6月号までの発表作。
最優秀賞に駒三十九氏の作品、ジャーナル賞に山田剛・岡田敏・中村雅哉氏の作品が輝きました。


最優秀賞 駒三十九作

将棋ジャーナル198802駒三十九

駒三十九作(1988年2月号) 詰手順
1三香 同桂 2四桂 2一玉 3二桂成 同金 4一飛 ⑧3一桂 同飛成 同金
1二角 同香 1一金 同玉 2三桂 2一玉 3一桂成 同玉 3二金 まで19手詰

変化
⑧3一香は、3二と、同玉、1四角、2三銀、4三金、2二玉、3一飛成、同玉、3二金打、同銀、同金まで同手数駒余り。

紛れ
①1四香は、1三桂、2四桂(同香成は、同玉、2四金、1二玉、2三角、2一玉、3二と、同金、5一飛、3一歩、3二角成、同玉、3三金、同玉、5三飛成、3四玉以下不詰)、2一玉、3二桂成、同金、4一飛、3一香、3二と、同玉以下不詰。
①3四角は、2三銀、1四香、1三桂、2四桂、2一玉、3二桂成、同金、2二金、同金、5一飛、3一歩、2二と、同玉、2三角成、同玉、5三飛成、3四玉以下不詰。

初手は1四香としたいところ。1三桂と移動合で応じ、1六桂の二段跳ね、4一飛に3一桂と応じて以下頭金まで19手詰。これが正解…ではありません。3一桂のところ3一香とされ、以下3二と、同玉で手が切れてしまいます。1四香がいなければ角を打つことができるのですが…。
正解は、1三香と短く打つ手。邪魔駒をあらかじめ消しておく妙を味わうことができます。作意には出てこない紛れを見せるのは、この作者らしいと申せましょうか。
解説の柳田明氏に「遂に本気を出したペテン師酒井」と言わしめた作品でした。




ジャーナル賞 山田 剛作

将棋ジャーナル198806山田剛

山田 剛作(1988年6月号) 詰手順
4二飛 2二金 同飛成 同玉 4四角 ⑥3三香 1一角 同玉 3一飛 ⑩2一銀
3三角成 2二飛 同馬 同玉 3三金 3一玉 4一飛 同玉 4三香 3一玉
4二香成 まで21手詰

変化
⑥3三桂は、1一角、同玉、3一飛、2一銀、3三角成、2二飛、同馬、同玉、3三金、1一玉、2一飛成、同玉、2二飛、1一玉、1二銀まで同手数駒余り。
⑥3三銀は、1一角、同玉、3三角成、2二金、2一金、同玉、3二銀、1二玉、2三銀成、同金、1一飛まで。
⑩2二金も可。

盤面は玉と歩のみ、持駒は大駒4枚と特徴的な初型。初手は3二飛だと2二銀で詰まないので4二飛が正解。合駒は2一角~3二角を取ることができる金に決まります。次いで4四角(5五以遠も可)に対しては3三へ香合。3一飛のところ3三角成は2二飛、3一飛、2一角とされて詰みません。以下も合駒を交えながら手が進み、収束では大駒が全て消えました。




ジャーナル賞 岡田 敏作

将棋ジャーナル198804岡田敏

岡田 敏作(1988年4月号) 詰手順
3三銀 ②同玉 2三角成 ④同玉 2四飛 3三玉 3二金 同玉 2二飛成 4一玉
5二銀 同飛 3一龍 まで13手詰

変化
②5三玉は、7三飛、5四玉、6三角成、6五玉、7六銀、5六玉、6七金まで。
④4二玉は、6二飛、5二銀、3一角成、5一玉、6一金、同銀、4二飛成まで。

銀で玉を呼び込み、2三角成と捨てるのが指しにくい手。その後は駒を捨てつつ、龍の力で追い詰めていきます。清涼詰ではありますが、軽快派という作者の印象からは意外性がある、手数の割に難解な作品でした。




ジャーナル賞 中村雅哉作

将棋ジャーナル198802中村雅哉

中村雅哉作(1988年2月号) 詰手順
2三銀 1五玉 1四銀成 同玉 4一角 3二香 2三角 2五玉 1五金 同玉
3五飛成 同香 1四角成 まで13手詰

5手目と7手目で二枚の角を設置。1五金(序4手で桂を消去した効果)~3五飛成で合駒の香を動かすと、連結できて詰みとなりました。短手数の中でもストーリーがあり、虫のいい手順が実現していると感心した次第です。

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