詰将棋ジャーナル賞受賞作品紹介(第13回)

本日の記事は、第13回詰将棋ジャーナル賞の受賞作紹介です。

対象は1987年7月号から12月号までの発表作。
ジャーナル賞に桜木健古・湯村光造・大谷和広・森隆宏氏の作品が輝きました。また、特別賞が柳田明氏の作品に贈られました。


ジャーナル賞 桜木健古作

将棋ジャーナル198712桜木健古

桜木健古作(1987年12月号) 詰手順
2三歩 3二玉 4三銀 2三玉 3四銀不成 3二玉 1二飛成 ⑧2二歩 同龍 同玉
2三銀打 1一玉 3三角成 同桂 1二歩 2一玉 1三桂 まで17手詰

変化
⑧2二桂は、2三龍、4一玉、4二銀、同金、同角成、同玉、4三龍、5一玉、5二金まで同手数駒余り。

初手2三歩に同玉としても作意で詰むのですが、3二玉と逃げるのが2手伸びる正しい応手となります。次いで4三銀~3四銀不成と銀を活用すれば、玉は捕まっています。収束は角を捨てて、桂吊るしまでの詰上りとなりました。




ジャーナル賞 湯村光造作

将棋ジャーナル198712湯村光造

湯村光造作(1987年12月号) 詰手順
2三銀不成 1五玉 ③1四銀成 同歩 1六歩 同玉 5二角 1七玉 4三桂不成 6二金
1八歩 1六玉 5一桂成 5二金 1七香 まで15手詰

変化
④同玉は、2三角、1五玉、1六歩、同玉、3四角成、1七玉、2三桂成、6二金、4四馬、1六玉、2六馬まで同手数駒余り。
⑧4三歩は、同角成、1七玉、2三桂成、6二金、4四馬、1六玉、2六馬まで同手数駒余り。

紛れ
③1六歩は、同玉、5二角、4三歩、同角成、1七玉以下不詰。

3手目で1四銀成と成り捨てるのがポイント。5二角(4三桂不成のスペースを作るための位置)、4三歩の変化において、同角成、1七玉、2三桂成を可能にする狙いです。狙いを見抜けば、以下は桂の二段跳ねで香を入手して詰みとなります。
なお、作者の湯村氏は先日、5月に亡くなられたことが明らかになりました。謹んでお悔やみ申し上げます。




ジャーナル賞 大谷和広作

将棋ジャーナル198710大谷和広

大谷和広作(1987年10月号) 詰手順
1五銀 ②1三玉 1二銀成 同玉 1三歩 同玉 2三角成 同玉 3五桂 1二玉
1四香 1三角 同香成 同玉 2三桂成 同玉 3四角 1三玉 1一飛成 まで19手詰

変化
②同玉は、1六香、同玉、3六飛成、2六飛、2五角、1五玉、1六歩、同飛、同龍、2四玉、1四龍、3三玉、3四龍まで。

初手は2五銀が有力ですが、1三玉以下作意通りに進めて12手目1三角のところ1三桂とされ、同香成、同玉、1一飛成、1二合の時に桂を打つことができず詰みません。そのため1五銀が正解となります。以降も銀消去や桂の二段活用で飽きさせない手順となっています。




ジャーナル賞 森 隆宏作

将棋ジャーナル198707森隆宏

森 隆宏作(1987年7月号) 詰手順
3三桂 1一玉 4九馬 1四桂 同香 同飛 2一桂成 同玉 7六馬 5四桂
1三桂 1一玉 7七馬 ⑭6六歩 同馬 同桂 2一桂成 同玉 3三桂 1一玉
1二歩 同飛 3一龍 まで23手詰

変化
⑭6六桂は、同馬、5五桂、同馬、4四角、同馬、同飛、3三角まで。

7六馬と転回した時に5四へ合駒が必要となりますが、桂以外だと以下同馬、同飛、1三桂、1一玉と進んだ際に合駒を打って詰んでしまいます。1三桂と攻め方を変え、1一玉に7七馬と引いて再度合駒請求。桂は品切れのため、歩を渡さざるを得ず、打歩詰回避のために桂を打ち換えて解決しました。歩を入手するための馬の働きを、楽しめたのではないでしょうか。




ジャーナル賞特別賞 柳田 明作

将棋ジャーナル198710柳田明A

柳田 明作(1987年10月号) 詰手順
5七飛 6五玉 5五飛 同玉 4五馬 ⑥6五玉 6六歩 同と 5四馬 5六玉
5七歩 同と 4五馬 6五玉 6六歩 6四玉 4六角 まで17手詰

変化
⑥6四玉は、4六角、5五歩、同角、6五玉、6六歩、同と、同金まで。

本作と次作は、アマ連創立10周年を記念して出題された作品です。初手は飛車を打つよりなく、と金と刺し違えてからは馬・と金、歩によるリズミカルな手順が繰り広げられます。詰上りの形も珍しいかもしれません。




ジャーナル賞特別賞 柳田 明作

将棋ジャーナル198710柳田明B

柳田 明作(1987年10月号) 詰手順
8四銀 6六玉 7五銀 ④同と 6七金 5五玉 5三飛成 5四金 ⑨同龍 同玉
4四金 5五玉 2五龍 3五桂 同龍 同歩 4七桂 同と 5六金 まで19手詰

変化
④5五玉は、6六金、同と、6四銀、4五玉、4三飛成、3五玉、4四龍まで。

紛れ
⑨2五龍は、4五金打、5四龍、同玉、3四龍、4四歩、6四金、5五玉以下不詰。

前作は初型曲詰、本作は果たして…。玉を中央に移動させ、龍による2回の合駒を経て現れたのは、期待通り「10」のあぶり出し。当然ながら手順は限定されており、うまくできています。

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