詰将棋ジャーナル賞受賞作品紹介(第11回)

本日の記事は、第11回詰将棋ジャーナル賞の受賞作紹介です。

対象は1986年7月号から12月号までの発表作。
ジャーナル賞優秀賞に水上仁氏の作品(3作合わせて)、ジャーナル賞に駒三十九・岡本眞一郎・川端正一氏の作品、ジャーナル賞新人賞に佐々木浩二氏の作品が輝きました。


ジャーナル賞優秀賞 水上 仁作

将棋ジャーナル198608水上仁

水上 仁作(1986年8月号) 詰手順
1三銀 同飛 1一金 同玉 3三角成 ⑥2二飛 同馬 同玉 2一金 同玉
3一歩成 1二玉 1一飛 2三玉 2一飛成 2二香 同龍 同玉 2四香 2三飛打
2一と 1二玉 2三香成 同飛 1一飛 まで25手詰

変化
⑥同飛は、同馬、2二飛、同馬、同玉、2四飛、3二玉、3四飛、3三歩、3一飛、4三玉、3三飛引成、5二玉、6三金、6一玉、3一龍、5一歩、同龍、同玉、3一飛成まで同手数駒余り。

6手目同飛の変化が難解。二枚飛車が登場し、同手数駒余りで収まります。
16手目の合駒は、3二龍以下の紛れで生きる香合が正着ですが、直ちに取り、2四香(2五以遠も可)と据えてフィナーレを迎えます。
骨のある手順が印象に残る作品でした。




ジャーナル賞優秀賞 水上 仁作

将棋ジャーナル198607水上仁

水上 仁作(1986年7月号) 詰手順
2三と ②同玉 ③3四金 ④1四玉 2四金 同玉 3五銀 1五玉 2六金 1四玉
3四飛成 1三玉 2四銀 1二玉 1三銀成 2一玉 1二成銀 同玉 2四桂 1三玉
1四歩 同玉 1二桂成 2四香 2五金 まで25手詰

変化
②同歩は、1四銀、同玉、3四飛成、2四金、2五金、1三玉、2四金、同歩、2三金、1四玉、2四龍まで。
④3二玉は、4四桂、2一玉、3二銀、同金、同桂成、同玉、3三金打、2一玉、1一歩成、同玉、1二歩、2一玉、1一金、3一玉、5三角、4一玉、4二角成まで。
⑧2五玉も可。

紛れ
③3四銀は、3二玉、4四桂、2一玉、3二金、1二玉以下不詰。

右上3×3のコンパクトな初型。上部脱出を防止するため、と金捨てから入ります。対して1四玉と逃げるのは、3四飛成~2四龍~2六金以下早く詰みますし、同歩も1四銀~3四飛成で捕まります。3四金に3二玉とする変化が山場と言えそうですが、1四玉の方が長手数と読み切れば、打った金をすぐに捨てる2四金~3五銀で、網が絞られていきます。2六金から玉を下段へ戻していき、銀を押し売り、桂も活用して詰め上がります。




ジャーナル賞優秀賞 水上 仁作

将棋ジャーナル198610水上仁

水上 仁作(1986年10月号) 詰手順
3三角 ②2二桂 同角成 同玉 3二銀成 同玉 4一銀不成 2二玉 3四桂 ⑩1一玉
3三馬 同桂 3一飛 2一角 同飛成 同玉 4三角 1一玉 2二桂成 同玉
3二銀成 1一玉 2一成銀 まで23手詰

変化
②2二香は、同角成、同玉、3一銀不成、1一玉、2二銀成、同玉、3二銀成、同玉、4二飛、3三玉、3五香、3四合(2四玉は4四飛成)、1二飛成、4三玉、4二馬まで。
②同桂は、2一飛、同玉、3一銀成、1一玉、3三馬、2二金、同馬、同玉、3二銀成、1一玉、2一成銀まで。
⑩同銀は、3二銀成、1一玉、3三馬、同桂、2一飛まで。

初手3三角で合駒を尋ねます。正解は桂合ですが、香合も両応手の詰上りを含んでおり、面白く感じられます。3三馬と捨てて飛車打ちを可能にし、合駒の角を4三に打てば収束なのですが、この手のために序盤で4三銀を消去する必要があります。最後は4一に移動していた銀を再活用して詰みとなりました。




ジャーナル賞 駒三十九作

将棋ジャーナル198608駒三十九

駒三十九作(1986年8月号) 詰手順
4一飛成 ②2一香 1三飛 ④1二銀 同飛成 同玉 2一龍 同玉 3二銀 1一玉
1三香 1二桂 同香成 同玉 2四桂 1一玉 2一銀成 同玉 3二角成 1一玉
2三桂 まで21手詰

変化
②2一歩は、1三飛、1二角、同飛成、同玉、3二龍、2二香、3四角、1一玉、2三桂、同香、1二龍、同玉、2三角右成、1一玉、1二馬まで。
④1二桂は、同飛成、同玉、3二龍、2二香、2三角成、1一玉、2二龍、同歩、1二香、2一玉、3三桂、3一玉、4一馬まで。
④1二角は、同飛成、同玉、2一龍、同玉、3四角、2一玉、3三桂、3一玉、4一角成、2二玉、2三角成、1一玉、1二香まで。

目を見張る初型。2三桂は1二玉で後が続かないので4一飛成と飛車を取り、合駒を尋ねます。場所は3一だと同龍以下早く詰むため、2一。種類は2三へ利きが生じる香が正解となります。1三飛で再度の合駒請求。ここも2三へ利かせる必要があるため角か銀ですが、角の場合は8手目の局面で3四角が成立し、早く詰むため正解は銀。以下は2枚の飛車を切り、9手目で打った3二銀も捨てるなど、最後までまとまっています。




ジャーナル賞 岡本眞一郎作

将棋ジャーナル198610岡本眞一郎

岡本眞一郎作(1986年10月号) 詰手順
1七香 同銀不成 2六金 同銀不成 1七香 ⑥同銀不成 3六飛不成 2四金 1六歩 2五玉
2四馬 同玉 3四金 2五玉 3五金 まで15手詰

変化
⑥同銀成は、3六飛成、2四合、1六歩、同成銀、3五龍、2五合、2四馬まで。

冒頭の4手で3六金を消去し、再度となる1七香、同銀不成に次いで3六飛不成と双方不成が実現します。8手目は4三馬に備える金合が正解ですが、1六歩~2四馬がとどめとなります。不成作品を得意とする作者らしい作品でした。




ジャーナル賞 川端正一作

将棋ジャーナル198608川端正一

川端正一作(1986年8月号) 詰手順
①5一角 4二香 4四金 同玉 5四金 3四玉 4三角成 同香 2四角成 まで9手詰

2手目は4一への退路を開ける移動合。金を打ち換え、4三角成で香をもう一度動かして初手で打った角を成っての詰上り。スマートに実現できています。作者は前回に続いての受賞となりました。
残念ながら、①1一角以下でも長手数ながら詰みがある模様です。




ジャーナル賞新人賞 佐々木浩二作

将棋ジャーナル198612佐々木浩二

佐々木浩二作(1986年12月号) 詰手順
1三角成 同角 2三銀 1五玉 2四銀 1六玉 2七銀 2五玉 1六銀打 2四玉
3六銀 まで11手詰

2三へ逃げられると捕まらないので、角を捨てて2三銀と据えます。そこから持駒の銀を連打し、3六銀と開き王手をして詰め上がります。
金の開き王手で詰む作品は古作物にありますが、銀で表現したところが面白く、詰上り図もユーモラスではないでしょうか。

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