続・塚田賞作品の魅力(7)(近代将棋平成7年8月号)②

今回は中篇部門を取り上げます。
第57期(昭和56年1~6月号)

中篇賞 上田吉一氏作
「極光24番」



上田吉一作(昭和56年2月号) 詰手順
5三香 ②5二飛合 同香成 同玉 5六香 ⑥同馬 5一飛 同玉 5三香 5二飛合
4一飛 同玉 4四香 4二銀合 5二香成 同玉 5一飛 同銀 4三香成 4一玉
3一飛成 同角 3二とまで23手詰
初手5三香に②5二歩合なら(銀合でも)4一飛から4三香‥で簡単なので、飛合は直ぐに分かります。これを取って5六香が馬筋をずらす狙いの一手。⑥同銀なら5四香、同桂、4二飛‥です。5一飛で玉を元に戻し、再度の5三香、5二飛合に、今度は4一飛から4四香と打てます。4二銀合の抵抗にも、再び5二香成から5一飛‥で収束。
作者が得意とする合駒を絡ませた変則的な繰返し手順の軽妙作でした。
吉田健「メリハリのついた四香の遊びに興趣尽きせぬものあり」
植田尚宏「ちょっと単調だが、最終5一飛で締まった」


次点 柏川香悦氏作
「盤上流転105番」



柏川香悦作(昭和56年3月号) 詰手順
1四飛 同玉 1五香 同玉 3三馬 2四飛打 2六金 1四玉 2五銀 1三玉
2四銀 同飛 1五飛 1四角合 2五桂 同飛 1四飛 同玉 2五金 同玉(途中図)

途中図(20手目2五同玉まで)
第57期柏川氏作

4七角 3五玉 2五飛 4六玉 4五飛 同玉 3六金まで27手詰
中段玉ですが、解図欲をそそるような無理のない棋形。持駒の飛香を軽く打ち捨てて3三馬と桂を取るまでが序奏です。これに対して2四飛打の合駒選択(2五金、1六玉、2六金の防ぎ)もそう難しくありません。その後も2六金以下、平凡な手が続き、1五飛に対する合駒も頭の丸い桂か角と、すぐに判ります。
ところが、20手目2五同玉となった途中図で<飛桂>の持駒なら2六飛‥で簡単に詰みますが、<飛角>の場合は手が進まなくなります。序盤で何か見落としたのではないかと手を戻してみても、結局はこの局面となり、どうしても詰みそうにありません。ところが呻吟の末に4七角‥2五飛‥から4五飛と金を奪ってみれば、何とアッケなく詰んでいるではありませんか!
常に新しい手筋を探求し続ける作者が発掘した珍しい中空での収束形。前半の二度の合駒を含む軽い手順がこの意表を衝くフィニッシュの効果を高めています。
植田尚宏「4七角からの収束が気に入った。ピリッとした妙手はないが、やはりうまいもの」
吉田健「終盤の意外性に共感するものあり」



上田氏作、「極光21」においては第75番に収録されています。
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