詰将棋ジャーナル賞受賞作品紹介(第9回)

本日の記事は、第9回詰将棋ジャーナル賞の受賞作紹介です。

対象は1985年7月号から12月号までの発表作。
ジャーナル賞に柳原夕士・角建逸・中村雅哉・藤倉満氏の作品が輝きました。また、ジャーナル賞奨励賞が森永秀明氏の作品に贈られました。


ジャーナル賞 柳原夕士作

将棋ジャーナル198512柳原夕士

柳原夕士作(1985年12月号) 詰手順
4三角 3二角 1一飛 同玉 2四桂 1四角 2三桂 同歩 1四香 同銀
1二歩 2二玉 3一角 同玉 3二角成 まで15手詰

初手は3四への退路を塞ぐ限定打。対する合駒の角が2四桂の際に移動中合(紐付きではありますが)し、打歩詰に誘致します。退路を空ける桂捨てを入れてから取るのが味良く、最後はその角を捨てて詰みに至ります。構想としては前例がない訳ではないようですが、比較的少ない駒数に収まったところに腕の確かさを感じます。




ジャーナル賞 角 建逸作

将棋ジャーナル198509角建逸

角 建逸作(1985年9月号) 詰手順
3一角 ②2三玉 2二と 1三玉 2一と 2三玉 2二角成 1四玉 3二馬 ⑩2三金
1五歩 1三玉 2三馬 同玉 3三銀成 同玉 4三歩成 2三玉 3四馬 同玉
3三金 まで21手詰

変化
②2二桂は、2五桂、同歩、2二角成、1四玉、1五歩、2四玉、3三馬、1三玉、1四歩、同玉、1五馬上、1三玉、2二馬まで。
⑩2三飛は、1五歩、1三玉、2三馬、同玉、3三飛、1二玉、3二飛成、1三玉、2二龍まで。

と金を3二から2一へ移動させ、3二馬の余地を作ります。課題であった1五歩を打った直後に、馬を金と刺し違えて収束の枠を絞り、もう1枚の馬を捨てて小駒のみの詰上りとなります。と金や角(馬)が玉に近づいた後で遠ざかる、どこか不思議な感じのする作品でした。




ジャーナル賞 中村雅哉作

将棋ジャーナル198510中村雅哉

中村雅哉作(1985年10月号) 詰手順
4三角 2六玉 1五銀 同玉 2四銀 同玉 1三銀 同玉 2二銀 ⑩同玉
3一角成 同玉 3二金 まで13手詰

変化
⑩2四玉は、2五金、同桂、4二角成まで同手数。

ご覧の通り、四銀連捨てで魅せる作品。4枚目は取らずとも正解なのが惜しまれますが、見事な手順であることは間違いありません。




ジャーナル賞 藤倉 満作

将棋ジャーナル198510藤倉満

藤倉 満作(1985年10月号) 詰手順
2三銀成 ②同玉 3四角 2四玉 2五銀打 同桂 同銀 1五玉 1六銀 2四玉
3六桂 同歩 2五銀 1五玉 3六銀 2四玉 3五銀 1四玉 1五歩 同玉
4四銀 2四玉 2五龍 まで23手詰

変化
②同銀は、2五銀打、同桂、4二角、3三香、4四龍、3四香打、3三角成、1四玉、1五馬まで。

3二銀を3四角へ打ち換え、2五銀打から始まるは銀の舞。桂捨てにより質駒となった歩を入手し、その歩によって4四銀とソッポへ行く手を実現して詰め上がります。駒の運びを楽しみたい作品ではないでしょうか。




ジャーナル賞奨励賞 森永秀明作

将棋ジャーナル198508森永秀明

森永秀明作(1985年8月号) 詰手順
7二銀 同玉 6一角 同玉 9一飛 7一桂 5二角 7二玉 6三と 8三玉
⑪6一角不成 8二玉 7一飛成 9三玉 7三龍 同金 9四歩 8二玉 7四桂 同金
7二角成 9一玉 8二銀 まで23手詰

紛れ
⑪6一角成は、7二歩、同馬、9三玉で不詰。

銀と角で6一へ誘い出し、9一飛と打ちます。11手目6一角不成が要注意の手。6一角成に対して8二玉と応じると作意通りに詰みますが、7二歩とされると9三玉の局面で9四歩が打てません。少なくない解答者がこの罠に陥りました。以下は龍を切り、9四歩~7四桂でフィナーレとなります。

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