詰将棋ジャーナル賞受賞作品紹介(第2回)

本日の記事は、第2回詰将棋ジャーナル賞の受賞作紹介です。

対象は1981年10月号から1982年6月号までの発表作。
最優秀作は該当なし、優秀作に目黒将氏・山村浩太郎氏・白井康彦氏、佳作に柳田明氏・佐藤昌樹氏・下田隆衛氏の作品が輝きました。
見出しには「学生四人が入賞!」とあります(目黒氏・山村氏・白井氏・下田氏)。


優秀作 目黒将作

将棋ジャーナル198204目黒将

目黒将作(1982年4月号) 詰手順
3二銀 同金 4一飛 同玉 ⑤3三桂 同桂 2一飛成 3一銀 5二角 4二玉
5一角 同玉 6一角成 同玉 3一龍 同金 6二銀 まで17手詰

紛れ
⑤2一飛成は、3一銀、5二角、4二玉、5一角、同玉、6一角成、4二玉、5一馬、同玉、3一龍、同金、5二銀、4二玉以下不詰。

3三桂、同桂とさせ、3三の地点を塞いでから2一飛成とするのがポイント。
3一銀と4二への逃げ場所を確保して粘りますが、角2枚を捨て、龍を切ることでとどめの駒となる銀を獲得。詰上りでは大駒が全て消えています。
作者の目黒氏は指将棋の強豪だそうで、中学生名人を獲得し、昨年のアマ名人戦東京都代表。詰将棋では2015年の詰将棋サロン年間最優秀作に輝いておられます。




優秀作 山村浩太郎作

将棋ジャーナル198111山村浩太郎

山村浩太郎作(1981年11月号) 詰手順
3二銀 同飛 3三桂不成 同飛 2二銀 ⑥同玉 3一銀 ⑧2一玉 2二銀打 1二玉
1三銀成 同玉 3三龍 2三金 1五飛 1四桂 2二銀不成 1二玉 1四飛 同金
2四桂 同金 1三龍 まで23手詰

変化
⑥1二玉は、1三銀打、同飛、2一銀打、2二玉、3二龍まで。
⑧1二玉は、1三銀成以下作意通りに進み2手早い。

持駒の銀四枚をいかに活用するかがポイント。桂跳ねを挟みながら、次々に打っていきます。龍の力が強いこともあり、変化はそれほど手数が掛かりませんが、3一銀に対して1二玉ではなく、いったん2一玉と引くのが気を付けたい点です。3三龍としてからは、金桂合が登場する収束に入ります。
作者の山村氏は、発表数は多くないものの平均点が高い印象です。最近ではお子さんも創作されていますが、本格的な復活が待ち遠しいですね。




優秀作 白井康彦作

将棋ジャーナル198201白井康彦

白井康彦作(1982年1月号) 詰手順
1二桂成 ②同玉 ③4五角 ④2三銀 同角成 同歩 1一馬 ⑧1三玉 2二馬 同玉
3二飛成 1三玉 1四銀 同玉 3四龍 1三玉 1四香 2二玉 3二龍 まで19手詰

変化
②同香は、3五角、2四桂、同角、1四玉、1五歩、2四玉、3四飛成、1五玉、2七桂、1六玉、3六龍まで。
④3四歩は同馬、1三玉、3五馬、2四桂、同馬、同玉、3四飛成、1三玉、2五桂、1二玉、1四龍まで。
⑧同玉は、1四香、1二合、2二銀、同玉、3二飛成、1一玉、1二龍まで。

紛れ
③3四角は、1三玉、2二馬、2四玉、2三角成、2五玉以下不詰。

2四桂が邪魔駒なので成り捨て、4五角(5六角以遠でも可)に対する合駒読みは2三と3四が考えられます。3四合は歩が最も長くなりますが、同馬、1三玉に3五馬と引いて再度合駒を請求するのがうまい手で、作意よりも早く詰みます。2三合は2二馬~3二飛成を防ぐ銀が正解となります。
同角成と合駒を取り、1一馬が迫力のある手。1三玉とかわしますが、2二馬がこれまた強手で今度は取る他なく、3二飛成~1四銀で収束に入ります。




佳作 柳田明作

将棋ジャーナル198112柳田明

柳田明作(1981年12月号) 詰手順
5六金 同玉 6六金 4六玉 5六金 同馬 3七金 ⑧5五玉 5四飛右 4五玉
4四飛 5五玉 6六角 同馬 4六金 まで15手詰

変化
⑧3五玉は、3四飛、4五玉、3六金(4四飛右以下で詰ますと作意と同一の詰上り)、5五玉、5四飛右まで。 

序盤は盤上にある2枚の金を立て続けに消去。中盤は飛車の動きで歩を消去し、終盤には角を捨てて×が出現。そつがありません。
なお、作者コメントに「初形<り>詰上り×の曲詰」とありますが、りと×のつながりが分かりませんでした…。

詰上り図

将棋ジャーナル198112柳田明詰上り図




佳作 佐藤昌樹作

将棋ジャーナル198110佐藤昌樹

佐藤昌樹作(1981年10月号) 詰手順
①5二飛不成 ②4二桂 同飛成 2三玉 2二龍 同玉 3二飛 2三玉 3四飛成 2二玉
3二銀成 1一玉 1二歩 同玉 2四桂 1一玉 2二成銀 同玉 3二龍 1一玉
1二龍 まで21手詰

紛れ
①2四飛は2三角・銀以下不詰。
①2五飛は2四歩、同飛、2三角・銀以下不詰。
①5二飛成は4二歩、2四飛、3三玉、3四銀成、3二玉以下不詰。4二歩に対して同龍は、2三玉、3二龍、1四玉以下不詰。

変化
②2三玉は、2二飛打、3三玉、3二飛右成、2四玉、3四龍、1五玉、5五飛成、2六玉、2五龍寄、1七玉、1八歩、同玉、3八龍、1七玉、2八龍まで。
②4二銀は、同飛成、2三玉、3二龍、1四玉、3四龍、2四銀、2五銀、1五玉、2四銀、2六玉、2五飛、1七玉、2八銀、1八玉、1九歩、2九玉、3九龍まで。

初手が難しいですが、打歩詰回避や変化への対応から5二飛不成が正解。対して2三玉は2二飛打から2枚飛車の協力で早く詰みます。合駒は3二ですと同飛成で無効のため4二ですが、2四飛、3三玉、3四銀成、3二玉と進んだ場合に3三歩を取ることができ、同飛成とされても早く詰まない駒は銀と桂。桂合の方が長いすなわち作意となります。
以下は同飛成(不成も可)、2三玉に2二龍と捨て、3二飛と打ち直して筋に入った感があります。初手と2手目の応酬が見所の作品でした。




佳作 下田隆衛作

将棋ジャーナル198203下田隆衛

下田隆衛作(1982年3月号) 詰手順
4三金 3一玉 4一角成 2二玉 3四桂 同歩 3二金 同銀 3三金 同桂
2一金 同銀 2三飛 1二玉 2一飛成 同玉 3二銀 1二玉 2三銀成 2一玉
3二馬 まで21手詰

4三金と頭を押さえる手で始まります。囲いに入った感のある2二玉からが見せ場。3二金~3三金~2一金は力強い手順です。2一飛成により玉方の主力であった銀を入手し、3二銀と打って詰みに至ります。どこか一風変わった印象を受けました。

2 Comments

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2019/06/26 (Wed) 19:37 | EDIT | REPLY |   
hirotsumeshogi
hirotsumeshogi  

非公開コメントさん

時代背景を読み取ると、より理解が深まるという作品もありますね。

2019/06/29 (Sat) 00:43 | EDIT | REPLY |   

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