詰将棋ジャーナル賞受賞作品紹介(第0回)

1977年に創刊し、1993年に休刊となった雑誌「将棋ジャーナル」。
日本アマチュア将棋連盟(略称アマ連)が刊行しており、「将棋世界」と比較して、野党誌という側面があったようです。
私が存在を知ったのは休刊後ですが、企画が豊富で、読み応えのある雑誌ですね。

詰将棋欄も充実しており、中には看寿賞に輝いた作品もあります。
桔梗さん・柳田さんの解説や、吉田さん・若島さん・岡田さんのエッセー、鈴木芳広さんのイラストを思い出す方もおられることでしょう。
そして、将棋ジャーナルの詰将棋を語る上で欠かせないのが、年2回、座談会によって選出された「詰将棋ジャーナル賞」。
座談会の内容は数ページに渡って掲載され、大変興味深い内容となっています。

受賞作については私の知る限り、柳原さんがインターネット上でまとめたもの、柴田さんの詰将棋パラダイス誌連載「名局ライブラリー」で紹介されたものがありますが、前者は19手以上に限定していますし、後者も紹介されていない作品があります。
全作品を紹介しようというのが、今回の試みです。
なお、拙い解説を付記しています。ほんの少しでも参考になれば幸いですが…。

今回取り上げるのは、座談会が開かれる前のこと。
詰将棋ジャーナル賞ではなく、「詰将棋研究室年間賞発表」という名称で発表されたものです。「第0回」という扱いが妥当でしょうか。


最優秀作品賞(最優秀賞) 柏川悦夫作

第0回最優秀作品賞 柏川悦夫

柏川悦夫作(1977年12月号) 詰手順
2九桂 同と 1六金 同玉 2七金 同玉 3八馬 1七玉 1五飛まで9手詰

初手1六金は同玉、1五金に1七玉で詰みません。2七金としても、同玉でやはり詰みません。
桂を捨てるのが正解で、と金で取らせてから1六金~2七金と金を2枚捨てるのが味わい深いところ。同歩成は1五飛で馬が利いているため詰むのがその効果です。
3八馬から変化と同様に、飛車寄りまでの詰みとなります。




年間賞第2位(次席) 梅津裕昭作

第0回年間賞第2位 梅津裕昭

梅津裕昭作(1978年6月号)  詰手順
4二飛 2三玉 4三飛成 同飛不成 2四馬 3二玉 2三銀 3一玉 4二馬 同飛
3二歩 同飛 4三桂 まで13手詰

4三飛成とすると作意でも詰みますが、3一玉のところで3二歩が可能で、同龍、同銀成、同玉、4二とで同手数駒余りとなります。
銀を据えて4二馬と捨てるのが決め手。飛車を活用し、桂打ちで詰上りを迎えます。





今のところは、月3回ぐらいのペースで更新していく予定です。

3 Comments

EOG  

No title

すみません。
受賞対象期間は1977.8からいつまでか教えてください。
それから、梅津はT-Baseでは全て「裕明」になっていますが誤りですか?
よろしくお願いします。

2019/06/02 (Sun) 19:26 | EDIT | REPLY |   
hirotsumeshogi
hirotsumeshogi  

EOGさん

第7号(1978年9月)で発表され、梅津さん作が第6号(1978年6月)ですから、1978年6月までではないかと推測されます。
なお、「詰将棋研究室年間賞発表」の冒頭には「この一年間、詰将棋研究室に多数の投稿をいただき、ありがとうございました」とあります。

梅津さんのお名前ですが、当方が所持しているデータは裕「昭」ですね。

2019/06/04 (Tue) 01:22 | EDIT | REPLY |   
EOG  

ありがとうございます。
梅津氏と書いたつもりが、氏が抜けており失礼いたしました。

2019/06/05 (Wed) 16:24 | EDIT | REPLY |   

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