なつかしの好短篇(最終回)(近代将棋昭和63年12月号)

今回の更新は、「なつかしの好短篇」(最終回)です。
お待たせしました…。
 さて、いよいよ今回が最終回ですが、後半の五十人の作家を列記します。(敬称略)
8月号   51渡辺三郎 52中野和夫 53岡 憲夫 54北 香悦 55宇山英気
56田中 至 57柏川悦夫 58高木秀次 59藤江和幸 60近藤 郷
9月号   61北川邦男 62昼間 勉 63伊勢重治 64岡 憲夫 65中出慶一
66吉田清二 67岡田 敏 68古川良一 69小田哲生 70植田尚宏
10月号   71海老原辰夫 72植田尚宏 73駒形駒之介 74高橋和男 75池田 俊
76岡田 敏 77角馬桂子 78山中龍雄 79大関信雄 80巨椋鴻之介
11月号   81近藤 郷 82田辺国夫 83町田好広 84田利 広 85北原義治
86斎藤哲男 87武南新一 88OT松田 89菅谷正義 90田島暁雄
12月号   91鶴田康夫 92本郷昌幸 93近藤 孝 94小西真人 95小松信悦
96覆面作家 97小西逸生 98山本民雄 99並木睦昌 100谷口 均

 第九十一番 鶴田 康夫氏作
第91番 鶴田康夫氏作
 1970年8月「詰将棋パラダイス」
 第九十一番 鶴田康夫氏作
8三金 同玉 8二金寄 8四玉 7四金 同香 7六桂 同香 7五銀 7三玉
6二飛成 同玉 6三金 まで13手詰
 2手目、8三同馬は、7六桂、同香、9四金、同馬、7五銀以下。
 4手目、8二同玉は、7四桂以下。
 捨駒手筋の作だが、どこか不利感のある作。
 配置を左側にする作家には、上田吉一氏、鳥越九郎氏がいる。上田氏は、「左側の方が解答者が考えにくいと思うから。」と簡単な考え。



 第九十二番 本郷 昌幸氏作
第92番 本郷昌幸氏作
 1970年8月「詰将棋パラダイス」
 第九十二番 本郷昌幸氏作
4九角 4六玉 4五飛 同玉 4七香 3四玉 1六角 まで7手詰
 最近は、赤羽守氏、小林敏樹氏などの活躍により、5手、7手詰の超短編でも盤面いっぱいを使っての創作が、一般的になってきたが、当時はまだまだ少なかった。
 本局、初手一発、大きく角を引き、4手目の変化で、入玉されても、つかまえられるようにする。そして、最終、再度、角を活用して、詰み上げる。
 盤面いっぱいを使っても使用駒数はできるだけ少なく、効率的にすることで成功した。



 第九十三番 近藤 孝氏作
第93番 近藤孝氏作
 1970年10月「近代将棋」
 第九十三番 近藤 孝氏作
4三金 2三玉 3三金寄 同玉 4三飛 3二玉 4二金 同角 2三飛成 同玉
3五桂 3二玉 4三歩成 3一玉 2三桂 まで15手詰
 金打金捨の筋は塚田正夫十段好みということで、ひとつのブームになっていた。
 本作では、かなり強引な創りになっていて、変化、紛れも豊富な難解作である。
 4手目、3三同桂は、2四銀、同玉、1三角、2五玉、3五飛、2六玉、3七金迄。
 8手目、4二同金は、同飛成、同角、4三金、3一玉、2三桂、4一玉、5二歩成迄。



 第九十四番 小西 真人氏作
第94番 小西真人氏作
 1970年10月「将棋世界」
 第九十四番 小西真人氏作
4四角 1三玉 1四歩 2四玉 3三角成 同玉 4五桂 2二玉 3二と 同玉
5二龍 2一玉 3三桂 まで13手詰
 初手、ふつうに、3三角、同玉、4五桂、2二玉、3二と、1三玉と攻めると、打歩詰の局面となり、到底打開できない。
 そこで、攻方5四龍の効きを消す、4四角の限定打という高級手筋となる。
 さりげない初型のため、思考界の一手であった。
 2手目、3三合は、奪って詰み。



 第九十五番 小松 信悦氏作
第95番 小松信悦氏作
 1970年11月「近代将棋」
 第九十五番 小松信悦氏作
4三桂 同角 3四香 3三桂打 同香 同桂 2一と 同角 2二飛成 同玉
3四桂 3二玉 4二金 まで13手詰
 2手目、4三同龍は、2一と、同玉、2二金迄。
 4手目、3三香合は、同香、同桂、3二香、同角、4二金以下。
 焦点への桂の打ち捨て、桂の限定合等を経て、2二飛成、同玉の10手目の局面が、途中無仕掛け。7手目の2一とも、細かい技で、時期が早過ぎてもアウトである。



 第九十六番 覆面 作家氏作
第96番 覆面作家氏作
 1970年11月「近代将棋」
 第九十六番 覆面作家氏作
2四角 同角 6一歩成 4一玉 3三桂 同飛 5一と 同玉 4二銀 まで9手詰
 その昔、覆面太郎という、覆面をして歌う流行歌手がいた。最後に万才師であると正体を明らかにしたが、もうひとつであった。
 作家もペンネームを使うなら、徹底的にそれが売れるまで使い、最後も本名を明らかにせずXのままがいい。
 本局、形は重いが、手順は厳しい。あるいは、実戦型にこだわらなければ、もう少しスッキリまとめられたかもしれない。



 第九十七番 小西 逸生氏作
第97番 小西逸生氏作
 1970年11月「将棋世界」
 第九十七番 小西逸生氏作
6四角 2二玉 3一角打 1二玉 1三歩 1一玉 5五角 同飛 1二歩成 同玉
1四飛 2一玉 2二歩 3一玉 1一飛成 まで15手詰
 盤面、飛車と歩だけ、持駒、角と歩だけという趣向。
 初手、6四角の離し角が狙い。7手目、5五角と捨て、後の打歩詰を事前に打開しておく筋の伏線である。
 将棋天国社発行の小西氏作品集「将棋紫雲英図式」は、5手から25手詰まで、鋭角的な小西流の好局百番である。



 第九十八番 山本 民雄氏作
第98番 山本民雄氏作
 1970年11月「詰将棋パラダイス」
 第九十八番 山本民雄氏作
2七角 同馬 9九飛 3八玉 5七銀 3七玉 4八銀 3八玉 3七銀 同玉
9七飛 まで11手詰
 3手目、5九飛では、6手目、5八歩合で逃がれ。
 短編入玉作品では、トップを争う作品である。
 この形、この手数で、よくこの遠打を実現できたものと感心する。
 この作者とは、一九八六年二月十一日に、東京で小会合があった時、お会いしたが、本作に特別意識はお持ちではないようだった。



 第九十九番 並木 睦昌氏作
第99番 並木睦昌氏作
 1970年12月「将棋世界」
 第九十九番 並木睦昌氏作
3一金 1二玉 2二金 1三玉 2三金 同飛 1四歩 1二玉 2二角成 同玉
3二飛 まで11手詰
 2手目、3一同玉は、4一飛、3二玉、4二飛成以下。
 4手目、2二同飛は、同角成、同玉、2一飛、3三玉、3二飛、4三玉、2三飛成迄。
 金で玉の腹をこする、3手目、2二金から2三金の手筋が面白い。以下、7手目、1四歩から最終2二角成捨てを決めてピッタリの詰み。
 作者は、この頃、筋の良い作を数作発表。



 第百番 谷口 均作
第100番 谷口均氏作
 1978年5月「近代将棋」
 第百番 谷口 均氏作
9三角 5八玉 6八飛 同桂成 5七角成 同玉 1三角 同飛 4八金 まで9手詰
 最後に、年数は飛ぶが、拙作を一局いれさせて頂きました。
 2手目、9三同飛は、5九飛、同桂成、6六銀、5八玉、4七角迄。
角を大きく派手に使う。拙作ヒトケタ物としては、マズマズの作。
 なお、野口益雄氏発行の小生作品集「孤愁の譜」まだ御覧になっていない方はどうぞ……。

                                   おわり



第九十八番は、10手目同玉のところ、48歩、同飛、37玉、47金まで、13手で駒が余るようです。

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