詰将棋順位戦データいろいろ(その1)

今回の更新は、詰将棋順位戦についてです。
詰将棋順位戦とは、詰将棋パラダイス誌(以下詰パラ)で開催されるイベントです。
15手以下の作品が出題され、解答者の5段階評価(5が最も高く、1が最も低い)によって、昇級・降級が決定します。
6月号にA~C級が行われ、D級が不定期(年2~4回)に開催されます。今年で第28期を迎えます。
同じく詰パラで開催される短編コンクールと異なり、駒数の制限はありません。
作者名が伏せられているのが、大きな特徴ではないしょうか (数名の内誰か)。
新規参加者はD級順位戦からのスタートとなります。年間で3位以内の評価を得た作者がC級順位戦に昇級することができます。
詰将棋順位戦について書かれた文章としては、三津田忠氏「詰将棋順位戦の歴史を振り返って」(詰パラ2009年3月号)があります。
二番煎じの感は否めませんが、掲載から8年が経過していること、ネット上に情報が少ないことから、ある程度の意義はあるとの結論に至りました。
「詰将棋順位戦データいろいろ」と題し、数回に分けて、様々な切り口から紹介できればと思います。


詰将棋順位戦の始まり
1992年2月号で「オールスター詰将棋順位戦」が開催されました。
同人作家、看寿賞作家らを中心に編集部で選抜した内、辞退者を除いた以下の25名が争いました。
赤羽守・有吉澄男・上田吉一・宇佐見正・大橋健司・岡田敏・北村憲一・小泉潔・小西逸生・小林敏樹・酒井克彦・柴田昭彦・清水一男・添川公司・田原宏・中出慶一・新田道雄・橋本樹・橋本守正・藤井国夫・森長宏明・柳田明・山田康平・大和敏雄・若島正
結果によってA~C級に分けられ、同年に第1期順位戦が行われました。
年2回開催された時期もありましたが、現在は年1回となっています。
第28期にも名を連ねているのは、小林敏樹氏・山田康平氏の2名。第1期から連続で参加されているのは、小林敏樹氏お一人です。


A級順位戦歴代優勝者
A級順位戦優勝の栄誉に輝くことができるのは、年間で1名。
歴代優勝者は、以下の通りです(表中敬称略、以下同様)。

A級順位戦歴代優勝者
第1期(1992.12)
小林敏樹
第2期(1993.9)
若島正
第3期(1994.6)
小林敏樹
第4期(1994.12)
大橋健司
第5期(1995.6)
小林敏樹
第6期(1995.12)
小林敏樹
第7期(1996.6)
仲西哲男
第8期(1997.6)
小林敏樹
第9期(1998.6)
市島啓樹
第10期(1999.6)
楓香住
第11期(2000.6)
小林敏樹
第12期(2001.6)
小林敏樹
第13期(2002.6)
市島啓樹
第14期(2003.6)
楓香住
第15期(2004.6)
山田康平
第16期(2005.6)
三角淳
第17期(2006.6)
三角淳
第18期(2007.6)
小林敏樹
第19期(2008.6)
金子清志
第20期(2009.6)
市島啓樹
第21期(2010.6)
市島啓樹
第22期(2011.6)
近藤郷
第23期(2012.6)
金子清志
第24期(2013.6)
金子清志
第25期(2014.6)
中村雅哉
第26期(2015.6)
宮原航
第27期(2016.6)
水谷創


2連覇を達成しているのは、小林敏樹氏(2回)・三角淳氏・市島啓樹氏・金子清志氏の4名。
3連覇の例はありません。

作者別のA級順位戦の優勝回数を以下に掲げます。

A級順位戦優勝回数
小林敏樹
8
市島啓樹
4
金子清志
3
楓香住
2
三角淳
2
若島正
1
大橋健司
1
仲西哲男
1
山田康平
1
近藤郷
1
中村雅哉
1
宮原航
1
水谷創
1


小林敏樹氏の8回が目を引きます。今年はB級順位戦への参加、来年A級優勝の機会が復活するかどうかも注目です。
金子清志氏・三角淳氏・中村雅哉氏・水谷創氏には今年のA級順位戦優勝資格があります。


詰将棋順位戦からの看寿賞受賞作品
詰将棋順位戦は、数々の看寿賞(年間で最も優れた作品に贈られる賞)受賞作品も輩出しています。

看寿賞受賞作品
第2期A級(1993.9)
若島正
第5期A級(1995.6)
小林敏樹
第7期A級(1996.6)
仲西哲男
第8期A級(1997.6)
小林敏樹
第10期B級(1999.6)
小林敏樹
第18期C級(2007.6)
武紀之
第24期B級(2013.6)
中村雅哉

いずれの作品も、A級優勝またはB級・C級1位となっています。
A級順位戦の作品からは、20年近く看寿賞が出ていないのですね。



もう少し早く掲載したかったのですが、準備に時間が掛かってしまいました。
次回はそれほど時間を置かずにとは思うのですが、内容は固まっておりません…。
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非公開コメント

素晴らしい記事ですね。詰パラにも投稿してほしいです。

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柳原さん

お褒め頂き、ありがとうございます。
想定よりも時間が掛かってしまいましたが、その1を掲載できてひとまずほっとしています。
読者サロンへは、短いものですが投稿を検討しているところです。

非公開コメントさん

調べ直すまでもなくミスでしたので、修正いたしました。
ご指摘ありがとうございます。

読者サロンと言わず、2~3ページの記事にしましょう。最近はスポットの面白い記事が少ないですから。

疑問いろいろ

[1]どうやって豪華メンバーを?
詰将棋順位戦について書かれたものを読んでいつも抱く最大の疑問は、「発足時にどうやってこれだけの出場者を集めることができたのか?」です。
三津田氏も「シビアな要求に応じた25名の勇気がなければこの企画は成立しなかったでしょう」と書かれていますが、出場者の多くは既に名を成した大家で、「得るものは少なく、失う可能性は大きい」立場にあったように見えます。
単なる働きかけでなく、何らかの努力・技巧・裏技による慫慂があったのでは? と想像したくなるのです。

[2]中村氏が優勝1回?
氏のA級優勝が1回のみ、とは意外でした。理由・目標(抱負/ノルマ)について、ご本人はどう語られているのでしょう(例えば、2017/05/09の記事の車中インタビューにて)。

[3]「三津田忠」氏とは?
他には一度も目にしたことのないお名前ですが、私は編集部の須藤大輔氏だろうと考えています。根拠としては、
  「半期賞受賞回数ランキング」(パラ2008.8)と雰囲気が似ている
というだけなのですが。ちなみに、この記事のクレジットは「編集部」となっていますが、同年4月号・編集室の記述から須藤氏にattributeできます。
Hiroさんの見解は?

発足時のメンバー

私が各作家に手紙でご案内して集めました。あの時代は手紙を出せばレスポンスがよかったのです。最初なのでさほどプレッシャーもなかったものと思います。

柳原さん

投稿予定のものは短い予定ですが、同じ話題の視点を変えたものは3ページくらいになるかもしれません。
書き上げられるか不明ですし、面白さは保証できませんが。

その2や3も仕上げなければ…。


大型企画の立ち上げは、容易ではないと想像できます。
私であれば、途中で挫折しそうです…。
ただ、実現した姿を思い浮かべるのは楽しそうですね。

谷川さん

中村氏は、詰将棋順位戦という場を強く意識して創作されているようには、思えませんでした。実際は分かりませんが…。
A級順位戦優勝は1回で、短編コンクールの4回と比較すれば目立ちませんが、C級順位戦初参加が2010年と比較的最近ですし、8期(今年含む)中5期がA級ということを考慮すると、決して振るわない訳ではないように思います。

三津田氏は実在の人物であっても、不思議ではないように思います。
余り知られていないけれども、豊富なデータを持っている方は少なくない気がします。
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Author:hirotsumeshogi
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当ブログはリンクフリーです。
相互リンクは詰将棋関係のものであれば原則受けさせて頂きます。

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