自画自賛 山中龍雄氏(近代将棋昭和41年9月号)

1日置いての更新です。
詰将棋作家の自慢の一局を紹介する昭和41年の近代将棋誌連載「自画自賛」、本日の更新分は山中龍雄氏のものです。



山中龍雄

(昭38.1本誌)



将棋人口(漠然とした言葉でその意味解釈基準<広義~狭義・等級>調査方法などの相違に依っては大差があるが……)約一千万――数々の健全娯楽の中で堂々と”王座”を占めるほどの高普及率を誇るそうだが、詰将棋ファン・マニアとしては手放して喜んでもおれない。
指将棋と詰将棋、両者の「――人口」の比較で判然とするように「詰将棋への関心度は(指将棋に比較して)極端に低い」という”不思議な現象(?)”があるからだが何故敬遠されるのだろうか?
一般的に詰将棋概念が真に認識されないで逆に誤解(?)されている場合が多いように思われる。「詰将棋は(仮令)短篇でも難しいからイヤだ」と度々耳にするが「難しい」という先入観から所謂「食わず嫌い」にまでなっている。また詰将棋の本質としての「謎解き」(クイズ)面が極端(?)に重視(従って難解作は高評価を得る)され「形」に軽視(初心者向き作品は歓迎されない)されている現在の”傾向”も一大理由である。底辺の拡充を図る作品には”手順”より”形”を重要視すべきで例えば「実戦型・自然形」では①詰意欲を喚起させる②(視覚的に)美しい③解き易い④実戦(詰将棋)に応用できるなどの利点がある。詰手順については余り難しくない程度で、詰将棋の面白さが味わえる手があればよいと思う。そこで(実戦型ではありませんが)初心者向き長篇作として上図を選んでみました。
さて本作、使用駒に注目して頂きたい、盤面配置=大駒四枚(飛角各二枚)銀歩各四枚。持駒=桂四枚。棋形については数手以後の局面から想像されるように原図は実戦型の好型(?)であったが、使用駒に趣向を凝らした為、ポツンと遠く離れた孤独の角と右上隅玉方駒がグルリと囲んだ四角四面の珍妙な顔との取合せと相成りました。
詰手順序の遣り取りによって攻方銀三枚玉方飛角が消えて”すっきり”した局面を迎えてから狙いの「回転」(構成の中核を成す)が始まる。3三飛成に2三飛合を強要、次の2三角を回転”軸”としての「玉と龍の回転」(5筋を対称軸として左方移動すれば逆回転)であるが、3一龍と一回転したところで5六角と覗き、桂を補充して再度の回転をする。回転の潤滑油の役目を果たしたり、玉の進路閉塞を図ったりなど、桂打は全部で六回ある。詰手順は軽快・律動的で、しかも手数の割に極めて易しいので初心者にも充分「詰将棋の面白さ、楽しさ」が味わえると思う。


氏の復活と中・長編作品を収録した作品集の発行を望みたいです。
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