詰作家三十人一局集 私の快心作(下)(近代将棋昭和46年8月号)②

「詰作家三十人一局集 私の快心作(下)」、前回の続きです。
詰パラ 昭38.8
㉒森田 正司氏作
22 森田正司氏作

森田 正司もりた しようじ
「難解」だけが詰将棋の生命であろうか。手順の意外性や趣向の斬新さだけでなく、それらを含む詰手順全体の構成の妙、さらにはそれを表現する駒の一つ一つが示す機能の極致……こうした駒と詰手順の極限における調和こそ詰将棋を美の世界へ誘うものである。
本作は構想的短篇として、このような詰将棋観を表現することのできた代表的な小品の一つです。
◎昭和9年9月7日生。
 第11期塚田賞(短篇)受賞
 (近く作品集「春霞」を出版する予定




本誌 昭36.3
㉓北川 邦男氏作
23 北川邦男氏作

北川 邦男きたがわ くにお
快心作と言うにはやや躊躇をおぼえますが、竜のソッポ向きという構想を、簡素な形で無理なく表現できたという点では気に入っています。
初めスミで作っていてなかなか作意が成立せず、平行移動を思いついてやっと完成したという、いわくつきの作品です。
この二年、ほとんど作品を発表していませんが、詰棋を忘れた訳ではありません。そのうちにアイデアに富んだ面白い作をお目にかけるつもりです。
◎昭和15年6月14日生。




詰パラ 昭45.9
㉔駒場 和男氏作
父帰る
24 駒場和男氏作

駒場 和男こまば かずお
本作は実に苦心しました。完成図に到達するまでに実に二年近くもかかってしまいました。私の腕を以ってしても還元玉都煙詰の創作に至難の業であったのです。
本作の特長は次の通りです。
一、自陣内に小駒成駒のないこと。
二、銀桂香の成駒のないこと。
三、飛角の合駒のあること。
四、伏線のあること。
五、千日手の逃れのあること。
題名の父帰るはぴったりであると思います。父の座は5五の都以外にはないのですから。
                          (詰パラ172号より)
◎駒場氏の消息を御存知の方御一報下さい。




本誌 昭38.10
㉕細田 強氏作
25 細田強氏作

細田 強ほそだ  つよし
詰棋を作り始めて十数年になりますが、これといった作品はありません。入選回数だけは一人前ですが……。指棋に力を入れたり、麻雀にこったりで最近五、六年間は鳴かず飛ばずもひどいところです。
図は(金の価値としては)最も不経済な6六金打が気に入っております。宮窪不二男氏「巧いの一言。技量が円熟しきっている感を深くする」の評をいただき非常に嬉しく思いました。この機会にそろそろカムバックしたいものです。
◎昭和14年7月24日生。棋力三段。
 入選歴、本誌42回、詰パラ54回、他




詰パラ
㉖門脇 芳雄氏作
26 門脇芳雄氏作

門脇 芳雄かどわき  よしお
本局は後半の11手は早くから出来ていたのですが、導入部をどの様にまとめるかで、数年苦心しました。本図は苦しまぎれにまとめ上げたもので、3手目、83飛成を発見したのは幸運でした。(83同玉なら、43竜以下)
今見直して見ると、ゴツゴツしている丈けで、冴えた手らしい手は殆んどなく、私の快心作とは思えず、良くこれで看寿賞(詰パラ誌第2回)が受賞できたものと冷汗をかいています。
                            (田辺重信著”私と将棋”より)




本誌 昭29.1
㉗植田 尚宏氏作
27 植田尚宏氏作

植田 尚宏うえだ  なおひろ
最初、このような大作を作る気は毛頭なかったのだが、創作意欲盛んな初期の頃、ついに駒をふやして完成したしろもの。
今でこそ煙詰ははいて捨てる程、発表されているが、当時は大変希少価値があったものだ。自陣成駒もあり、妙味はうすいが、いわゆる煙詰の公式手順はさけて、一応小生流にまとまっている。
短篇専門の小生が、このような作品が出来たことは、ちょいとした不思議である。
◎昭和8年1月30日生
 塚田賞(第四期)受賞作。 棋力 三段





判明している限りで、作品集への収録と初出の訂正・追加をさせて頂きます。
北川氏作…「渓流」珠玉篇第28番
駒場氏作…詰パラ 昭45.2
     「ゆめまぼろし百番」第100番
門脇氏作…詰パラ 昭37.8
     「曲詰百歌仙」第87番
植田氏作…王将 昭29.8
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