第82期以降の塚田賞受賞作品(11)(第92期)①

第92期に入り、今回は短篇部門を取り上げます。
第92期(平成11年)

4月号で森田銀杏氏により「年賀曲詰展」として10作が出題され好評を得ました。
また、7月号より解説が服部敦氏から湯村光造氏に代わりました。
この期、短篇は酒井博久氏、中篇は鎌田研氏がそれぞれ初受賞。長篇は北川明氏が第20期以来、実に37年振り2度目の受賞となりました。
初入選は上村豊・永富洋・吉田淳二の3氏でした。


第92期「塚田賞」選考投票 集計表



短篇賞 酒井博久作


第92期短篇賞 酒井氏作

酒井博久作(平成11年5月号) 詰手順
4三角成 3二銀合 3三桂 2二玉 1三角 2三玉 2四銀 1二玉 2二角成 同玉
1三歩成 3一玉 2三桂 同銀 2二と 同玉 2一馬まで17手詰
盤面4枚。初手4三角成に対する合駒によってそれぞれ別の手順が現われるという作品です。


短篇次点 巨椋鴻之介作


第92期短篇次点 巨椋氏作

巨椋鴻之介作(平成11年7月号) 詰手順
6四金 同玉 7六桂 同龍 5六桂 同龍 2四龍 5五玉 4四馬 6四玉
7六桂 同龍 7四金 同玉 6二馬 8五玉 9四龍 同玉 8四馬まで19手詰
盤面一杯に駒が配置されていて、いかにも難解そうです。
惜しみなく駒を捨て、玉方の龍を翻弄することで詰め上げます。
作者のコメントを掲げます。
作者「ヒトの目をチラつかせようというのが発想の原点。わざわざ玉方駒の利きを作ってから攻める手の反復(5六桂、同龍としてからの2四龍/7六桂、同龍としてからの7四金など)」
「禁じられた遊び」禁じられた遊び第60番に収録されています。


短篇次点 三角 淳作


第92期短篇次点 三角氏作

三角 淳作(平成11年11月号) 詰手順
4五角成 4七玉 5六馬 3六玉 4五馬 2五玉 2七龍 2六飛 3六馬 同桂
1七桂 2四玉 2六龍 同角 2五飛まで15手詰
5六馬と桂馬を取ることで、2七龍に対する飛合が逆王手になります。3六馬と捨てることで無事解決します。
こちらも作者のコメントを掲げます。
作者「後の2六飛合を逆王手にするために2手目いったん4七に逃げて5六桂をあらかじめ攻方に取らせておく不利逃避。いままで、不利逃避手筋の目的としては、①玉の退路あけ②打歩詰誘致③二歩禁解消は見たことがありますが、本作の意味付けは珍しいのではと思い作ってみました」


短篇次点 植田尚宏作


第92期短篇次点 植田氏作

植田尚宏作(平成11年12月号) 詰手順
5一銀 同金 5二金 同金 3二銀成 同玉 1四角 2二玉 3一飛成 1三玉
2二龍 同玉 3一角 同玉 3二銀 4二玉 4一銀成まで17手詰
5一銀・5二金の捨駒から入ります。2二龍~3一角の感触が心地良いです。


獲得点数は4作とも3点という大激戦でした。
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植田ファン

植田さんの作品凄くいい。
と言うか植田さんの作品のピリッとした手順が好き。
要するに僕は植田さんの大ファンです。
塚田賞の作品なんかより植田さんの全作品が見たい。
こんな記事やめろと意味ではありません(笑)。念のため。
そのくらい植田さんのファンと言う事で作品集を出してくれないかな~

三輪さん

植田氏の作品、私の場合は並べるだけでもすっきりした気持ちになります。
作品を発表し続けるという持久力には感嘆させられます。
「流玉」は半世紀ほどの前の出版ですし、新しい作品集を見てみたいです。

ビッグネーム

私は植田氏の作品は好きじゃなかったが、これは優れていると思う。

不透明人間さん

お気に召したようで、私は紹介しただけですが嬉しく思います。
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