第82期以降の塚田賞受賞作品(10)(第91期)③

今回は第91期の長篇部門を取り上げます。
長篇賞 曽我正純作


第91期長篇賞 曽我氏作

曽我正純作(平成10年8月号) 詰手順
5八角 同玉 6八と寄 同銀成 同と 同龍 6九銀 同龍 同角 同玉
4九龍 7八玉 5八龍 7七玉 6七飛 8六玉 8八龍 7六玉 8七龍 7五玉
6五飛 8四玉 8三と 同金 7五金 9三玉 8四金打 同金 同金 同玉
8五飛 同と 7六桂 9三玉 8三金 同玉 8五龍 7二玉 7三歩 同玉
8四龍 7二玉 6四桂 同金 7一と 同玉 6一香成 同玉 6二歩成 同玉
6四龍 5一玉 6二金 4一玉 3一と 同玉 2一香成 4一玉 3一成香 同玉
2二歩成 4一玉 3二と 同と 5二金 同玉 4三と 同と 同銀成 同玉
3三と 同玉 4四龍 3二玉 2四桂 3一玉 2二と 同玉 4二龍 2三玉
3二龍 1四玉 1五歩 同玉 3五龍 1四玉 1五歩 2三玉 3二龍 2四玉
1六桂 1五玉 3五龍 1六玉 2五龍 1七玉 2七と 同成銀 1八香 同成銀
同と 同玉 2九銀 1七玉 2八銀 1八玉 2七龍 2九玉 3七銀 3九玉
2八龍 4九玉 4八龍まで113手詰
「力だめし詰将棋」として発表、当初の図(5月号)を修正して再出題された作品です。
初入選と同じく煙詰、今度は還元玉の主張付きの作品で受賞となりました。


長篇次点 今村 修作「花より団子」


第91期長篇次点 今村氏作

今村 修作(平成10年12月号) 詰手順
6七角 5八角合 同角 同玉 7六角 6七角合 同角 同玉 8五角 7六角合
同角 同玉 9四角 8五角合 同角 同玉 6三角 7四角合 同角 同玉
5二角 6三角合 同角 同玉 4一角 5二角合 同角 同玉 3四角 4三角合
同角 同玉 2五角 3四角合 同角 同玉 3五と 同玉 4六銀 2五玉
4七角 3六角合 同角 同玉 5八角 4七角合 同角 同玉 6九角 5八角合
同角 同玉 7六角 6七角合 同角 同玉 8五角 7六角合 同角 同玉
9四角 8五角合 同角 同玉 6三角 7四角合 同角 同玉 5二角 6三角合
同角 同玉 4一角 5二角合 同角 同玉 3四角 4三角合 同角 同玉
2五角 3四角合 同角 同玉 3五歩 2三玉 2二と引 1四玉 3六角 2五角合
同角 同玉 4七角 3六角合 同角 同玉 5八角 4七角合 同角 同玉
6九角 5八角合 同角 同玉 7六角 6七角合 同角 同玉 8五角 7六角合
同角 同玉 9四角 8五角合 同角 同玉 6三角 7四角合 同角 同玉
5二角 6三角合 同角 同玉 4一角 5二角合 同角 同玉 3四角 4三角合
同角 同玉 3四角まで133手詰
角打角合の趣向作品。正方形(ひし形)を玉が移動していきます。何とも斬新な作品です。
収束はさばけなかったのではなく、さばかなかったように伺えます。
次作とともに同時発表されました。力の入った服部敦氏の解説を一部掲げたいと思います。

未知の世界への招待
(前略)
作者「難解性と豊富できれいな紛れや変化を求めるだけの皆様には本作は間違いなく不評でしょう。しかし歴史的価値は大きい作品です。なぜなら、角打角合回転追いという趣向には恐らく前例がないからです。前例がない、ということの重さについては、作家の皆様ならばご理解下さると思います」
菱形軌道の上の全てのマスを二度以上通った作品は過去に前例がない。もちろん角打ち角合では一周した作品すらない。本作がいかに飛び抜けた作品であるかが分かる。角合31回という記録も凄いが、そのような数字を越えた無限の価値が本作には存在する。…
追い回し作品で回転数を増やす最善の方法は玉方の複数の駒を順次はがしていくことだ、という常識が長編作家の間に広く浸透している。そのこともその趣向の出現を遅らせたかも知れない。この作では、攻め方の駒の増加というごく単純な仕組みを使ったからこそ駒が不足せずに済んだのである。
難解な序盤に駒をさばくきれいな収束。反復の原動力は駒をはがすこと。結局みんな無双と図巧の真似をしているだけに過ぎない。先入観と先人の呪縛を打ち破ってこそ、斬新な作品が誕生するのである。


長篇次々点 今村 修作「月より饅頭」


第91期長篇次々点 今村氏作

今村 修作(平成10年12月号) 詰手順
6三飛 5三飛合 同飛 同玉 9三飛 6三飛合 同飛 同玉 9三飛 7三飛合
同飛 同玉 9三飛 8三飛合 同飛 同玉 8五飛 8四飛合 同飛 同玉
8六飛 8五飛合 同飛 同玉 8七飛 8六飛合 同飛 同玉 8七歩 同玉
5七飛 7七飛合 同飛 同玉 5七飛 6七飛合 同飛 同玉 4七飛 5七飛合
同飛 同玉 3七飛 4七飛合 同飛 同玉 2七飛 3七飛合 同飛 同玉
1七飛 2七飛合 同飛 同玉 1七飛 3六玉 1六飛 4七玉 1七飛 3七飛合
同飛 同玉 1七飛 2七飛合 同飛 同玉 1七飛 3六玉 4八桂 2五玉
2七飛 2六飛合 同飛 同玉 2三飛 2五飛合 同飛 同玉 2三飛 2四飛合
同飛 同玉 2二飛 2三飛合 同飛 同玉 1三飛 2四玉 1四飛成 3三玉
1三龍 2三飛合 同龍 同玉 4三飛 3三飛合 同飛 同玉 5三飛 4三飛合
同飛 同玉 6三飛 5三飛合 同飛 同玉 9三飛 6三飛合 同飛 同玉
9三飛 7三飛合 同飛 同玉 9三飛 8三飛合 同飛 同玉 8五飛 8四飛合
同飛 同玉 8六飛 8五飛合 同飛 同玉 8七飛 8六飛合 同飛 同玉
8七歩 同玉 5七飛 7七飛合 同飛 同玉 5七飛 6七飛合 同飛 同玉
4七飛 5七飛合 同飛 同玉 3七飛 4七飛合 同飛 同玉 2七飛 3七飛合
同飛 同玉 3八歩 2七玉 2三飛 2六飛合 同飛 同玉 2四飛 2五飛合
同飛 同玉 2三飛 2四飛合 同飛 同玉 2二飛 3三玉 3二飛成 2四玉
2二龍 2三飛合 同龍 同玉 4三飛 3三飛合 同飛 同玉 5三飛 4三飛合
同飛 同玉 6三飛 5三飛合 同飛 同玉 9三飛 6三飛合 同飛 同玉
9三飛 7三飛合 同飛 同玉 9三飛 8三飛合 同飛 同玉 8五飛 8四飛合
同飛 同玉 8六飛 8五飛合 同飛 同玉 8七飛 8六飛合 同飛 同玉
8七歩 同玉 5七飛 7七飛合 同飛 同玉 5七飛 6七飛合 同飛 同玉
4七飛 5七飛合 同飛 同玉 3七飛 4七飛合 同飛 同玉 3七飛まで229手詰
飛打飛合の趣向作品。長方形を玉が移動していきます。
こちらにおきましても、服部敦氏の解説を一部掲げたいと思います。

世紀の連作
(前略)
この連作は、同じ趣向を二つそろえただけではない。飛打ち飛合から始まって、最後の手が飛打ちというところが前作と同じであるし、一周目で駒を打ち、二周目で歩を打って周回コースが途切れる所も同じである。楽に創作するためにそうしたのではない。大変な苦心の産物だと思う。…
作者「なお、『月より饅頭』が『花より団子』よりも高く評価されたなら『新しさ』が軽視され『手数の長さ』が重視された結果と考えてよいでしょう。そうならないように祈ります」
もちろん本作も傑作であることは言うまでもない。だが本作には工藤紀良氏の作以来、いくつかの先駆者があって、前作には全くない、という根本的な違いがある。そのことが理解されるだろうか。前作には130手目4三角合のところで、6三玉と逃げる2手長駒余りのキズがあって減点評価に偏りがちな日本人の性癖を刺激する恐れもある。一番心配なのは、本作が手数229手、合駒回数51回と数量的に前作を圧倒している点で評価が左右されることである。数量も評価対象には違いないが、数は単なる数でしかない。…
だが一番肝心なことは作家や解答者が独自の価値観をもっと自信を持ってはっきり主張し、実践することである。
(後略)

服部氏による問題提起の文でした。
なお、今村氏の2作につきましては「詰将棋おもちゃ箱」内の「2014年新春特別出題」にある糟谷祐介氏の解説が参考になることと思います。またご覧になっていない方は是非。
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