第82期以降の塚田賞受賞作品(9)(第90期)①

第90期に入り、今回は短篇部門を取り上げます。
第90期(平成9年7~12月号)

12月号をもって、平成7年2月号に連載が開始された森田銀杏氏著「続・塚田賞作品の魅力」が終了。
翌年1月号から大規模な詰将棋欄の刷新が行われました。詳しくは第91期掲載の冒頭に。
短篇部門は中野和夫氏が3回目の受賞、中・長篇部門は受賞作なしという寂しい結果でした。
7月号の夜の詰将棋で戸辺誠氏が10歳にて全問正解との記述があります。
初入選は森美憲・佐藤富美男・佐宗章弘・鎌田研・大森貴志の5氏。毎号入選は植田尚宏氏が達成、実に7期連続となりました。


第90期「塚田賞」選考投票 集計表



短篇賞 中野和夫作


第90期短篇賞 中野氏作

中野和夫作(平成9年11月号) 詰手順
3九桂 同龍 3六角 3八玉 8三角 4九玉 9四角成 3八玉 6九角 2七玉
4九馬 同龍 3六龍まで13手詰
8三角~9四角成、さらに6九角と引き4九馬捨て。スケールの大きさを感じさせる作品です。
受賞コメントの一部を掲げます。「本作には私なりのこだわりが少々あります。実は4九龍を4八龍にすれば2八歩が省けるのです。でもそれでは面白さが半減する、というのが私のささやかな『哲学』です」
過半数の得票を得て受賞となった本作なのですが、念のため某(…)将棋ソフトによって検討したところ5手目5八角以下長手数で詰め上げてしまいました。
成立しているのであれば、修正を期待したいところです。
追記(2015年1月13日)
余詰指摘は金子義隆氏によって既になされておりました。
そして2八歩を削除、詰方4六歩→玉方4五歩、4九龍→4八龍で修正済でした。
失礼いたしました。


短篇次点 森 美憲作


第90期短篇次点 森氏作

森 美憲作(平成9年7月号) 詰手順
1二歩 同玉 2四桂 1一玉 2二角打 2一玉 3二飛成 同銀 1二桂成 同玉
1三角成 2一玉 2二馬まで13手詰
盤面3×3のコンパクトな形に持駒1枚、解図欲をそそります。3二飛成が粋な手です。


短篇次点 中出慶一作


第90期短篇次点 中出氏作

中出慶一作(平成9年8月号) 詰手順
3二銀 同香 同飛成 同玉 3四飛 2一玉 3二角 1一玉 1三香 1二桂合
同香成 同玉 1三角成 1一玉 2三桂 同歩 2一角成 同玉 3一飛成まで19手詰
初手3二銀からの駒交換はやりにくいのではないでしょうか。桂捨て、馬捨てで詰め上がります。
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