第82期以降の塚田賞受賞作品(5)(第86期)②

今回は第86期の長篇部門を取り上げます。
長篇賞 今村 修作「天月舞」


第86期長篇賞 今村氏作

今村 修作(平成7年12月号) 詰手順
9五飛 9六飛合 同飛 同玉 9四飛 9五飛合 同飛 同玉 9三飛 9四飛合
同飛 同玉 「7四飛 9五玉 7五飛 9六玉 9七歩 同玉 9五飛 9六飛合
同飛 同玉 9四飛 9五飛合 同飛 同玉 9三飛 9四飛合 同飛 同玉」
『6四飛 7四歩合 9五歩 同玉 6五飛 7五飛合 同飛 同歩 9三飛 9四飛合
同飛 同玉』「7四飛 9五玉 7五飛 9六玉 9七歩 同玉 9五飛 9六飛合
同飛 同玉 9四飛 9五飛合 同飛 同玉 9三飛 9四飛合 同飛 同玉」
『5四飛 6四歩合 9五歩 同玉 5五飛 6五飛合 同飛 同歩 9三飛 9四飛合
同飛 同玉』『6四飛 7四歩合 9五歩 同玉 6五飛 7五飛合 同飛 同歩
9三飛 9四飛合 同飛 同玉』
「7四飛 9五玉 7五飛…」
『4四飛 5四歩合…』
『5四飛 6四歩合…』
『6四飛 7四歩合…』
「7四飛 9五玉 7五飛…」
『3四飛 4四歩合…』
『4四飛 5四歩合…』
『5四飛 6四歩合…』
『6四飛 7四歩合…』
「7四飛 9五玉 7五飛…」
『2四飛 3四歩合…』
『3四飛 4四歩合…』
『4四飛 5四歩合…』
『5四飛 6四歩合…』
『6四飛 7四歩合…』
「7四飛 9五玉 7五飛 9六玉 9七歩 同玉 9五飛 9六飛合 同飛 同玉
9四飛 9五飛合 同飛 同玉 9三飛 9四飛合 同飛 同玉」
2四飛 3四歩合 9五歩 同玉 9六歩 同玉 2六飛 9五玉 2五飛 9六玉
9七歩 同玉 9五飛 9六飛合 同飛 同玉 9四飛 9五飛合 同飛 同玉
9三飛 9四飛合 同飛 同玉 9三飛 同玉 8三金 9四玉 8四金 9五玉
8五金 9六玉 8六金 9七玉 8九桂まで335手詰
五段目に並んだ歩を取っていき、2六にある桂馬を取って詰め上がります。趣向が次第に長くなっていきます。
「再帰連取り」や「再帰的手順」を用いた作品。初めて並べた時は感嘆するばかりでした。
参考になると思いますので、作者コメントをどうぞ。
「手順設定する際に「」手順に課した条件は次の4つです。
①攻め方の龍を発生させない。
②攻め方の持駒の増減が無い。
③玉が動くマスに守備駒の利きが無い。
④攻め方は9筋に歩を突き捨てるのではなく、打ち捨てる。
これらの条件から生まれたのが「」手順です。(ちなみに『』手順は百人中九十九人が同じ設定をするのではないでしょうか)そして、その手順中、9三飛、9四飛合となった時、攻め方が9六歩を打てないようにするには攻め方玉を1四に置いて9四飛合が逆王手であればよい。そう考えて初めて本作の論理を思いつく事が出来ました。論理を思いついた後は比較的楽に仕上げる事ができました。
改めて本作を見ると、あまりにも単純な舞台装置や、自然な流れのままに詰み上がる収束に自分でも驚かずにいられません。」
「(前略)本趣向は私が考えたものではなく、おそらく二十年以上も前から長篇作家の間に伝わっていたものです。したがって、本作の一番の価値は、図化を可能にした双玉配置にあります。また「天月舞」は"てんつくみゃあ"と読みます。ヒマワリの花の咲く頃の九鬼谷にて行われる祭りです。(後略)」
看寿賞投票では堀内真氏作「未知との遭遇」の次点。この年の長編部門には、この後紹介する2作の他にも若島正氏作「スケーターズ・ワルツ」、添川公司氏作「約束の地」などの素晴らしい作品が並びました。


長篇次点 首 白竜作「園裡の虎」


第86期長篇次点 首氏作

首 白竜作(平成7年7月号) 詰手順
1八歩 1六玉 1七歩 同玉 1五飛 同桂 7一角不成 4四歩合 同角成 1六玉
4三馬 1七玉 5三馬 1六玉 5二馬 1七玉 6二馬 1六玉 6一馬 1七玉
7一馬 1六玉 2五角 同歩 1七歩 2七玉 3七金 同玉 2八金 4六玉
3七金打 5七玉 9三馬 7五角合 同馬 6七玉 6六馬 同玉 9三角 7五角合
6七歩 5七玉 7五角不成 6六歩合 同角 6七玉 6八歩 7六玉 7七歩 6六玉
9三角 8四歩合 同角成 7五角合 同馬 7七玉 6六馬 同玉 9三角 7五角合
同角不成 7六玉 7七歩 同玉 7八歩 7六玉 6五銀 同玉 6四と引 7六玉
7七歩 同玉 6六角 7六玉 7七歩 6六玉 9三角 8四歩合 同角成 7五角合
同馬 7七玉 6六馬 同玉 9三角 7五角合 6五と 同銀 7五角不成 7六玉
7七歩 同玉 7八歩 7六玉 6七角まで95手詰
森田銀杏氏の解説によると、「9三角に8四歩合で成か不成かを決めさせる<打診中合>を別の所(引用者注:8手目4四歩合)で事前にやっておく-という新構想」だそうです。
「玉方の最長手順を捜すのが一苦労」と作者コメントに書かれている通り、同じ形で詰上りとなったにも関わらず解答手数がバラバラ。解答者24名中正解者は3名でした。
今夏出版予定の「般若一族作品集」に収録されると思いますので、詳しくはそちらをご覧下さいませ。


長篇次点 添川公司作「金馬車」


第86期長篇次点 添川氏作

添川公司作(平成7年7月号) 詰手順
8九香 9七玉 8七飛 9六玉 8六と 同成香 同飛 9七玉 8七飛 9六玉
9七香 同金 同飛 同玉 (1)8八金 9六玉 8七金 9五玉 8六金 9四玉
8四と 同玉 7五金 同玉 7七香 7六香合 同香 同玉 7八香 7七香合
同香 同玉 7九香 7八金合 同香 同玉 (2)7九金 7七玉 8八金 8六玉
8七金 8五玉 8六金 8四玉 8五金 8三玉 7四金 同玉 7六香 7五香合
同香 同玉 7七香…(香打ち)…7九香…同玉
(3)7九金…(金追い)…8五金 8三玉 9五金 8四香合 同金 7二玉 7三金 同玉
3七馬 5五と 7五香 7四香合 同香 同玉 7六香…(香打ち)…7九香 同玉
(4) 7九金…(金追い)…9五金 8四香合 同金 7二玉 2七馬 4五と 7三金 同玉
2八馬 5五と 7五香…(香打ち)…7九香…同玉
(5) 7九金…(金追い)…9五金 8四香合 同金 7二玉 1八馬 4五と 7三金 同玉
2八馬 5五と 7五香…(香打ち)…7九香…同玉
(6)7九金…(金追い)…9五金 8四香合 同金 7二玉 2七馬 4五と 7三金 同玉
3七馬 5五と 7五香…(香打ち)…7九香…同玉
(7) 7九金…(金追い)…9五金 8四香合 同金 7二玉 3六馬 4五と 7三金 同玉
7五香…(香打ち)…7九香…同玉 7九金 7七玉 6七金 同金 同飛 同玉
5八銀引 7六玉 6七銀 同玉 5八馬 6六玉 5七金 5五玉 4四銀 同玉
5四と 3五玉 2七桂 2四玉 3四角成 同玉 2六桂 2三玉 1三と 同玉
1四馬 2二玉 3四桂 2一玉 2二歩 1一玉 1二歩 同玉 2四桂 1一玉
2一歩成 同玉 3二桂成 同金 同馬 同玉 2二金まで303手詰
香打香合と金追いに馬鋸を組み合わせた超長編作品。解答者22名中正解者は6名でした。
この作品を最後に、添川氏の作品を近代将棋で見掛けることはしばらくの間できなくなります。
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