第82期以降の塚田賞受賞作品(5)(第86期)①

第86期に入り、今回は短・中篇部門を取り上げます。
第86期(平成7年7~12月号)

この期、短篇は中野和夫氏が独走により初受賞、中篇は関半治氏が山田修司氏との競り合いを制し3度目の受賞。長篇は今村修氏が初受賞となりました。
トピックは特別出題の多さではないでしょうか。7月号では「力だめし詰将棋」として首白竜氏「園裡の虎」と添川公司氏「金馬車」、8月号では北原義治氏の「平成七年・夏北風個展」、10月号では「塚田賞選考委員による詰将棋競作展」、そして11月号では再び「力だめし詰将棋」として駒場和男氏の2作が、12月号では姉妹棋士あぶり出し詰将棋が岡本眞一郎氏により出題されました。
初入選は周藤裕也・宮浦忍・安国真紀夫・山本裕道・酒井博久・坂野孔一の6氏。毎号入選は植田尚宏氏が3期連続で達成されました。


第86期「塚田賞」選考投票 集計表



短篇賞 中野和夫作


第86期短篇賞 中野氏作

中野和夫作(平成7年10月号) 詰手順
4七歩 同玉 6九角 5八飛合 同角 同龍 5九桂 同龍 4八飛 同龍
4六金 同玉 5六馬まで13手詰
2手目5五玉には9一角が用意されています。初形と12手目の局面との違いは龍が5九から4八へと移動しただけという作品です。
圧倒的な得票を獲得して受賞となった本作、残念ですが7手目3八金以下でも詰んでしまうようです…。修正を期待したいです。
追記(2015年1月13日)
余詰指摘は金子義隆氏によって既になされており、さらに玉方4四と追加で修正済でした。
失礼いたしました。


短篇次点 植田尚宏作


第86期短篇次点 植田氏作

植田尚宏作(平成7年8月号) 詰手順
4一銀 2一玉 1二銀 同玉 1三銀 2一玉 3二銀成 同金 1二銀成 同玉
1三龍 同玉 1四飛 2三玉 2四金まで15手詰
3二銀成の感触が何とも言えません。1三龍と捨てる収束も決まっています。
植田氏はこの作品辺りで近代将棋誌前人未踏の入選400回を達成されました。


中篇賞 関 半治作


第86期中篇賞 関氏作

関 半治作(平成7年12月号) 詰手順
2五金 同玉 3四銀不成 2六玉 1六金 同玉 1五金 同桂 2五銀 同玉
2二龍 2三香合 同龍 1六玉 2五龍 同玉 2四飛 同玉 2六香 同と
4六馬 2五玉 3四馬 同玉 2四金 4四玉 3五馬まで27手詰
1二の馬が動けるようにする手順。何とも豪快な駒の働きで、全く飽きさせません。


中篇次点 山田修司作


山田修司作(平成7年12月号) 詰手順
2二銀成 同玉 3三金 1二玉 1三歩 同玉 3四金 1二玉 2三飛成 同桂
同金 2一玉 3二角成 1一玉 3三馬 2一玉 1一馬 同玉 1二歩 2一玉
3三桂まで21手詰
コンパクトな配置からすり換えが成立。2三金ですと打歩詰に陥るのでそれを回避するために2三飛成と攻めます。後はそつなく収束です。
「夢の華」第93番(「すり替え」と命名)に収録されています。



次回は長篇部門を取り上げますが、豪華だと思います。
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