詰将棋の能率的勉強法(2)(近代将棋昭和44年3月号)②

村山隆治氏の連載「詰将棋の能率的勉強法」、第2回の後半部分です。
(第5図)
第2回第5図

第5図 玉方の2三角が、3二銀と4一飛成の両手段を妨害しています。さて、2三角の裏をかく巧妙な手段を考えてみましょう。
誘いの手は3二銀打ですが、これは同角・同飛成・同玉・4一角・3一玉で見込みがありません、とすればジャマな守備駒へのオマジナイは”避ける”手段よりないことがわかります。
ここで持駒の銀に注目してほしいと思います。銀なので4一飛成の筋も同角で詰みません。3二銀と打たないで、この点に飛を成り捨てる3二飛成のカラ捨てが巧い手段、同角なら4二銀まで。そこで同玉ですが、4三銀・4一玉・4二銀成まで平易な追い詰めです。
第5図 3二飛成・同玉・4三銀・4一玉・4二銀成まで、5手詰。



(第6図)
第2回第6図

第6図 玉方の3三角がなければ2二金打までとなりますが、この局面では同角と取れないことを見越した、2二金引の王手が軽妙な手段です。
直接、守備駒に挑む2二金打は、同角・同金・同玉・4四角・3三歩合・2一銀成・1二玉で一枚足りません。また1一金も同角なら以下、2一銀不成・2二玉・3二金までで巧いのですが、1一同玉と取られて1二香の軽手に、2二玉とかわされこれも失敗です。
ここで正着の2二金引に戻ります。勿論同角なら2一銀不成の一発でオシマイなので、2二同玉と取って参考図となります。

(参考図は2二同玉まで)
第2回第6図参考図

詰将棋では軽くさばくことも考えるヒントの一つです。したがって参考図で2一銀成りなどとしては、再び重い形にするばかりで、2二金捨ての好手が泣きます。1二金捨てがズバリ急所、この辺の迫力ある詰めは見事です。勿論同香なら2一銀成までなので、同玉ですが以下、2一銀不成・2二玉・3二金まで、7手詰です。
第6図 2二金引・同玉・1二金・同玉・2一銀不成・2二玉・3二金まで、7手詰。



重い形を軽く捌いていく要領を学習しました。
② 守備駒を、どける方法(排除手段)
“どける”とは、詰めを妨害している玉方の守備手段に対し、捨て駒をしてその効き筋をそらす手段のことです。

(第7図)
第2回第7図

第7図 古来より余りにも有名な詰将棋です。両側の銀に守られている玉は、誘いの筋がちらついて簡単には詰みません。
目に映る手は6一馬と5二銀ですが、6一馬は同玉・6二銀・7二玉・7三銀打・8三玉で見込みなく、また5二銀は同銀右・同馬・同銀・4二銀・6一玉にてこれもダメなことがわかります。一体、詰方の2五馬はどのように活用するのでしょうか。
もしここで、チョッと図面を変更して、2五馬を盤上より消しその代わりとして持駒に歩を加えたらどういうことになるでしょう。(参考図)

(参考図)
第2回第7図参考図

どんな初心者でも、ためらうことなく5二歩と打って王手をすることでしょう。これは歩の一枚位大勢に影響がないという初心者の心理で、無雑作に王手ができるわけです。そして同銀と取られ、はじめて自分の手駒に銀があることに気付き、銀を打って詰ますことになります。持歩のかわりに馬を配置しますと、途端に着手がとまって正解がなかなかみつかりません。この辺が詰将棋の面白さというものです。5二馬と捨てて守備銀を移動させるのがコツ。5二歩が5二馬とかわっただけですが価値の大きな駒を捨てることが盲点になるわけです。
駒の価値はその性能にあるのではなく、その働きによって決定されます。したがって、第7図での盤上の馬と、参考図での持歩とが全く同じ働きですので、この詰将棋に関しては馬と歩が同じ価値ということになります。



(第8図)
第2回第8図

第8図 二上達也八段の作品です。守備銀の弱点をどのように衝くかがポイントです。
3二銀打も守備銀をどけることはできますが、これではポイントがずれていて失敗に終わります。同じように”どける”にも、この局面では2二銀が正着なのです。(参考図)

(参考図は2二銀まで)
第2回第8図参考図

2二同玉なら2三銀・2一玉・3三桂不成まで、したがって玉方は同銀と取ります。ここで3三銀と打込んでは、1二玉で駒不足。3三桂不成とする連続ワザが見事な手段で、この一手により解決します。
守備銀を最もマイナスの位置に”どける”効果が、これで実証されたわけですが、もう一度3二銀と2二銀の効用の差を、復習して下さい。
第8図 2二銀・同銀・3三桂不成・同銀・3二銀・2二玉・2三角成まで、7手詰。





次回より、第3回へと入ります。
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