詰将棋の能率的勉強法(1)(近代将棋昭和44年2月号)②

村山隆治氏の連載「詰将棋の能率的勉強法」、第1回の続きです。
詰将棋のルール
詰将棋を解いたり作ったりするためには、約束ごとを守る必要があります。この規定が解き方・作り方の基本条件となります。
1 詰方の手番より開始し、王手の連続によって玉を詰ますこと。
2 玉方は必ず王手をはずす形をとり、しかも最長手数になるよう応手する。
3 詰方は最短手数で詰ますこと。
このような相互の応酬によって生ずる手順が、一般に正解手順といわれています。そしてそれ以外の玉方の応手によって、詰手順が変わる場合に、これを”変化”といいます。
4 玉方の無意味な合駒による手数の引延ばしは、認めない。
合駒の目的は、詰みをのがれるために打つものです。合駒の有効な例題を、第8図に提示します。

(第8図)
第1回第8図

この局面で合駒をせずに9二玉と逃げますと、8三香成でも、また8三金でもすぐに詰んでしまいます。ところがここで適切な合駒をしますと、玉の終焉を延ばすことができます。これが合駒の妙味です。
第8図で8三銀合とするのが、適切な合駒となります。(参考図)

(参考図は8三銀合まで)
第1回第8図参考図

ここで攻めをいそいで、8三香不成と王手をしますと、9二玉とかわされて失敗します。ここは8二歩と打ち以下、9一玉、9二歩、同銀、8一歩成、同銀、9二歩、同玉、8三金、9一玉、9二歩、同銀、8二金まで、見事に詰上ります。
8三銀の合駒が最大効果を発揮したわけです。これを8三歩合としますと、以下8二歩、9一玉、9二歩、同玉、8三金、9一玉、8一歩成、同玉、8二金までで、前の8三銀合のより手数も短かく、しかも詰方に歩余りができますので正解ではありません。



(第9図)
第1回第9図

合駒の種類はよく吟味しなければなりませんが、第9図のように何を合駒しても同じ場合には、ただ「2一合」と書けばよいことになっています。即ち2一合、2三桂までとなります。

(第10図)
第1回第10図

第8図の場合、8三銀の合駒は極めて有効でした。ところで第10図の場合は、1二玉、2二角成までが正しい運びです。これを4四歩合、同角、3三歩合、同角成、1二玉とするのは、全然無意味な合駒であり、この種の合駒は禁じられています。合駒をするからには、そこに合駒としての意味がなくては、何の価値もありません。



なお、このような場合には、詰方は最も玉に近接した位置より打つのが自然で、3三角と打つのが詰将棋のたしなみと言えましょう。
5 玉方は残り駒全部を合駒として使用することができる。
6 詰方は詰めていく途中で入手した駒を手駒として使用することができる。
7 詰上りにおいて、詰方の手駒が余らないこと。
詰上りとは、正解手順によって生ずる最終局面のことです。この詰上りには手駒が余らないことになっています。したがってもし手駒が余った場合には、正しい手順をふまなかったか、それとも作品に欠陥があったかの、いずれかです。
8 千日手は詰められないとみなし、詰方の負けとする。

(第11図)
第1回第11図

千日手とは相互に同一手順を繰り返すことで、第11図がその好例です。2一龍、1三玉、2四龍、2二玉、2一龍、1三玉となり、はてしがありません。これを千日手と称し、この場合詰方の負けとなります。



9 打歩詰は詰方の負けとする。
持駒の歩を打って玉を詰ますことは禁手となっています。ただし盤上の駒の歩を突いて玉を詰めることは”突き歩詰”といって許されていますので、間違わないで下さい。(第12図参照)

(第12図右側)
第1回第12図右側
「打歩詰」

(第12図左側)
第1回第12図左側
「突き歩詰」

10 2歩を打つことは禁手。
同じタテの筋に歩を2枚打ってはいけません。(第13図参照)

(第13図)
第1回第13図
左側「行き所のない駒の禁手」 右側「2歩の禁手」

11 行き所のない駒(桂香歩)の合駒と、行き所のない不成は禁手。
駒を打っても、その駒がつぎに動くことができない点に打つことはできません。またつぎに動くことのできない点に、不成として駒を進めることもできません。(第13図参照)
次号より本講の核心に触れ、秘伝の公開にはいります。
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