塚田賞作品の魅力(2)(近代将棋昭和52年8月号)②

森敏宏氏の連載「塚田賞作品の魅力」、第2回の続きです。
今回は第3期の受賞作を掲載します。
第三期受賞作
短篇賞 三木正道
中篇賞 中本 実
長篇賞 黒川一郎


今期からは本誌の姉妹誌「王将」の29年1月号~6月号の掲載作も賞の対象となり、かなりの激戦となった。


短篇賞


第3期三木氏作

三木正道作(29年1月号)
1三飛 同玉 2五桂 1二玉 1三桂成 同玉 2三飛 1四玉 2四飛成 同玉
3三角成 1四玉 1五歩 同銀 2三馬まで15手詰
本作はいわゆる「二歩禁」をテーマ(と)した作品。3手目、2五桂と打って、1二歩を消し、再び玉を1三へ持ってくる。持駒に歩がないところが本作のポイントで、巧みな作り方といえる。


中篇賞


第3期中本氏作

中本 実作(王将29年5月号)
4四竜 5六玉 4七竜 5五玉 6七桂打 同歩不成 4四竜 5六玉 6八桂 同歩成
4七竜 5五玉 6七桂打 同と 4四竜 5六玉 5七歩 同と 5四竜 4六玉
5七竜 4五玉 4四と 同玉 5三竜 4五玉 4六歩 同玉 5七竜 4五玉
4六歩 4四玉 5三竜まで33手詰
塚田九段評「本局は形のわりに、よく見るとゴテゴテしてないのと、歩をと金にする手順がちょっと作りがたい点、それに飛の上下は力強い」
本作品は17回の王手のうち竜の王手が10回という珍らしい問題。その間に桂すて、歩のナラズなど当時としてはシャレたセンスを持った作品に仕上っている。


長篇賞


第3期黒川氏作

黒川一郎作「蒼猿」(王将29年5月号)
9四銀行 8四玉 8五銀行 9五玉 9六銀行 8六玉 8八香 9七玉 5三角 9八玉
8七銀 8八玉 9七角成 同玉 9九竜 8七玉 9六銀 8六玉 8八竜 9六玉
8五銀 9五玉 9七竜 8五玉 7四銀 8四玉 8六竜 9三玉 4三飛成 同桂
9四歩 同玉 8五銀 9三玉 8四銀 8二玉 7三銀生 9一玉 8一竜 同玉
7二銀成 9一玉 8二金まで43手詰
塚田九段評「本局は蒼猿と表題があった、銀の動きが実におもしろい。最後に竜で追う手順と銀不成も画龍点睛の一手で、ひきしめている。ただ、4一飛と5一桂が詰手順を暗示しているのではないか」
趣向詰の大家、黒川一郎の受賞である。趣向といえば、作者の他に山田修司、大塚敏男などが有名で当時の詰棋界の三羽ガラス。



「蒼猿」は、氏の作品集「将棋浪曼集」第1番に収録されています。
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