簡素図式精選(10)(近代将棋昭和55年2月号)①

更新を忘れておりました。
岡田敏氏の連載「簡素図式精選」の第10(最終)回です。
第九十三番 藤倉 満氏作

昭和52年8月「詰将棋パラダイス」

第九十三番 藤倉 満氏作
1六桂 同馬 4六角 1五玉 1四金 同玉 3四龍 1五玉 2四龍 2六玉
3五龍 1五玉 1四金 同玉 2四龍まで15手詰
初手1六桂が意外にむつかしい。手駒の角や金で王手をする手が多くあるからだ。3手目の4六角の限定打が味の良い手で、変化における1八金を可能にしている好手。1四金の尻金のリフレインあり、3四龍→2四龍→3五龍→2四龍の軌跡の面白さありで、充分楽しめる作品である。作者はこの種の作品が得意で、幅広くファンを持っている。


第九十四番 川崎 弘氏作

昭和52年8月「詰将棋パラダイス」

第九十四番 川崎 弘氏作
5三飛成 5二金合 6二金 4一玉 5二金 同飛 4三龍 4二金合 3二金 5一玉
4二金 同飛 6二銀 同玉 7四桂 5一玉 6二金 同飛 同桂成 同玉
5二飛 7一玉 7三龍 8一玉 8二飛成まで25手詰
本作を一見して、河村古仙「将棋貫珠」の第一番を思い出した。第一番は裸玉で、玉位置は5一玉、持駒は飛角金銀桂となっている。何故こんなことを言い出したか――。
筆者が未だかけ出しの初心時代の昭和29年に、裸玉の作図に挑戦した。四苦八苦した結果、やっとの思いで5一玉型の作品を完成。得意満面で文通していた棋友に見せびらかせていた。ところが古図式に詳しい棋友から、前記河村古仙の「将棋貫珠」第一番と全く同一であるとの指摘をうけて、がっくりきたにがい思い出がある(而もこの裸玉は余詰というおまけまでついていた)。
この様な私事の思い出を書いたのは、「将棋貫珠」の第一番”裸玉”に出てくる二回に亘る金合を、本作で思い出したからである。古仙の作品は5三飛と打ち、5二金合、4二銀、同玉、3一角、同玉、3三飛成、3二金合といった二度の金合である。本作と古仙作との違いは初手に出てくる。本作は5三飛成で、飛と龍の違いになり、必然的に以下の手順も異っているが、本作の1二飛の配置によりかなり違った味になっている。
扨、詰手順に入って、二回に亘る金合、金打によるミニ趣向的な手順が面白く、その直後に出てくる6二銀の好手が一層手順を盛り立てている。15手目7四桂と打ってからは追手順に終るが、この形からでは止むを得ない所だろう。余詰防止の銀の存在は惜しいが、一面幾何学的な形にもなっていて面白い。


第九十五番 野口益雄氏作

昭和52年11月「近代将棋」

第九十五番 野口 益雄氏作
1二歩 2一玉 2二金 同玉 3三歩成 2一玉 1一歩成 同玉 1五龍 2一玉
1二龍 同玉 2三歩成 1一玉 2二とまで15手詰
作者の身上である”軽く、いやが上にも軽く”といった作風が見事に表現されている。
初手1二歩が何とも言えぬ渋い好手。この初手が軽妙洒脱な味を充分出している。試みにいきなり2二金から入ると同玉、3三歩成、2一玉で詰まない。一見無駄な様な1二歩打が収束を可能にしている訳で、渋い好手といった所以である。収束1一龍捨ても鮮やか。


第九十六番 滝島代士夫氏作

昭和53年6月「近代将棋」

第九十六番 滝島 代士夫氏作
5三香 5二桂合 同香成 同玉 6四桂 5一玉 6一銀成 同玉 5三桂 5一玉
4一桂成 6二玉 7二桂成 4二成桂 同玉 4三馬 5一玉 6一成桂まで19手詰
最近メキメキと頭角を現してきた新人の好作である。左右対称形にこの手順は称賛してよいだろう。
初手5三香に5二桂合は絶対。7手目6一銀成と捨て5三桂と打ち、5一玉の逃げに4一桂成が味のある手。収束に4二成桂と捨てる辺り、作者の確かな腕を感じさせる。



第9回では竜表記でしたが、第10回では龍表記となっております。
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