簡素図式精選(9)(近代将棋昭和55年1月号)①

岡田敏氏の連載「簡素図式精選」の第9回です。
第八十四番 藤倉 満氏作

昭和49年12月「詰将棋パラダイス」

第八十四番 藤倉 満氏作
2四香 2三金合 4三角 3二金合 2三香 1二玉 2二香成 同金 3四角成 2三歩合
同角成 同金 1三金 同玉 1四金 同金 同歩 同玉 2四金 1五玉
1六歩 同と 2五金まで23手詰
簡潔な形に大道棋的な攻防の綾をからませ粘性の手順を生み出す作者お得意の作品。
初手2四香に対し2三金の中合は習いある手だが、4手目に又も金合と城壁を築くのが面白い所。2枚の金をはがし、玉方2六とを動かしての収束は巧いものである。


第八十五番 山本昭一氏作

昭和49年12月「詰将棋パラダイス」

第八十五番 山本 昭一氏作
5九飛 3九角合 同飛 2八玉 1七角 2七玉 2八香 1七玉 2七金 1八玉
2九角 1九玉 4七角 2九角合 同飛 1八玉 1七金 同玉 1八歩 同玉
6三角 1七玉 2七角成まで23手詰
3九角合の中合、及び2九角合の捨合が狙いの作。何れもこの形に於ける常套手段だがこんな簡潔な形で表現したのには感心させられる。8手目1六玉と逃げて2六金以下作意通りと思い勝ちだが、1六玉の時4三角、1七玉、1六角成の好手があり早く詰む。


第八十六番 森田正司氏作

昭和50年7月「近代将棋」

第八十六番 森田 正司氏作
4五銀 2五玉 3六銀 1五玉 2五金 1六玉 1七歩 同玉 2八銀 1六玉
2六金 同玉 3七馬 1六玉 1七銀 同玉 2七馬まで17手詰
軽快に気持良くリズムに乗って詰上る。しかも詰上り3枚の清涼感。さわやかな風が、解者の頬をさーとかすめていく――そんな趣きのある作品である。難手は一つもない。5手目、9手目に打った金と銀を捨てて軽快性をぐーと盛り上げ、収束に持っていくあたりは文句のつけ様がない。第47期塚田賞受賞作。


第八十七番 梅本拓男氏作

昭和50年9月「近代将棋」

第八十七番 梅本 拓男氏作
4二飛成 3二桂合 3三角 2三玉 2九飛 1四玉 1九飛 1八歩合 同飛 2五玉
4五竜 2六玉 1五角成 2七玉 2五竜 1八玉 1九歩 同玉 3七馬 1八玉
2八竜まで21手詰
玉方の応手に面白さがある。2手目の3二桂合、8手目の1八歩合は夫々味のある手。もう一つ本作の狙いは詰上りの意外性。この形から1八の地点で詰むとは夢想もしなかったことだろう。慾を言えば、攻方に詰将棋らしい好手が一つ位ほしい所。


第八十八番 中橋清高氏作

昭和50年11月「近代将棋」

第八十八番 中橋 清高氏作
2三桂 2二玉 4二飛成 3二桂合 1二金 同玉 1一桂成 同玉 1三飛 1二桂合
同飛成 同玉 3二竜 2二角合 2三竜 1一玉 1四竜 1三歩合 1二歩 同玉
2三歩成 1一玉 1二と 同玉 2四桂 1一玉 2三桂まで27手詰
初手は持駒を使用するより方法がないが、一見有望に見える1三飛や1二金が駄目で、2三桂が正着とは皮肉である。2二玉の逃げは当然だが、3手目4二飛成に対する変化がむつかしい。主な変化を述べると、①3二歩合は、1二金、同玉、1一桂成、同玉、1三飛、1二角合、同飛成、同玉、3二竜、2二角合、2三歩成、1一玉、2二竜、同歩、1二歩以下。②3二金合は1二金、同玉、3二竜、1三玉、1一飛、2四玉、3五金、1五玉、1四飛成、同玉、3四竜、1三玉、2四金、2二玉、3三竜、1二玉、1一桂成以下(。)③1三玉と逃げれば、1一飛、2四玉、4四竜、3四歩(合)、3五金、1五玉、1四飛成、2六玉、2五竜、3七玉、3六竜以下。といった具合で、かなりやっかいである。
結局3手目4二飛成に対したは3二桂合の一手となるが、続いて1二金、同玉。この局面で3二竜といきたい所だが、それでは切れてしまってグリコのマークとなる。3二竜の誘惑をふり切って、1一桂成、同玉、1三飛と攻めの継続を図って、1二桂合を強要するのが巧い手。桂をもぎ取って待望の3二竜を実現した所で、玉方に2二角合と頑張られ、持駒桂二枚では詰まないと思ってしまう。しかしここで、丸い角の頭につるりと滑る様にいく2三竜から1四竜が局面打開の好手。以下は持駒桂二枚の活用を図る例の手で気持良い二枚桂の吊し詰めである。簡潔な形に合駒の綾を四回からませた好作といえよう。



森田氏作は第47期塚田賞とありますが、実際は第46期。
第44期の発表の際に第45期と誤記してしまい、その状態が数期続いたようです。

梅本氏作は残念ながら、3手目4四角でも詰んでしまうようです。
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