簡素図式精選(7)(近代将棋昭和54年11月号)②

第7回の続きです。
第六十七番 中野和夫氏作

昭和42年6月「詰将棋パラダイス」

第六十七番 中野 和夫氏作
7八金 9七玉 9九香 9八角合 同香 同玉 9九飛 同玉 6九飛 8九飛合
同飛 同玉 7九飛 9八玉 9九飛 同玉 3三角 9八玉 8八角成まで19手詰
初手7八金は当然だが、3手目に6七飛として、9六玉、8七金、8五玉、8六香以下で詰ました人は作者の罠にはまったと伝えよう。6七飛に対し7七歩と中合されると身動きがとれない。終始一貫して3三角の実現にマイ進し、途中に出現する二回の大駒の合駒に味がある。在来筋に巧く味付けした好作。


第六十八番 藤井国夫氏作

昭和42年10月「詰将棋パラダイス」

第六十八番 藤井 国夫氏作
4五角 3四桂合 同角 1三玉 2五桂 同飛成 2三金 1四玉 1五歩 同龍
1三金 同香 2三馬まで13手詰
初手4五角に対し、3四桂合の中合。これは角の3筋の転用を防ぐ為の好防。3四歩合は同角と取って1四歩、同玉、1五歩とおさえて簡単。2五桂以下龍を1筋へずらせ、1三金と捨てての収束迄は変化に乏しく説明の要もあるまい。軽快派作家として令名高い作者だけに、手順は易しくとも、これ以上推敲の余地のない配置で、完成品といえよう。

第六十九番 北原義治氏作

昭和43年3月「将棋世界」

第六十九番 北原 義治氏作
4四桂 3三玉 3四金 2二玉 3二桂成 同玉 4三角成 2二玉 3三金 同角
3四桂 3一玉 4二桂成 同角 1一飛成まで15手詰
簡素図式精選第四十二番の同氏作と同傾向の作品。4四桂、3四金と舞台作りをして、一転、3二桂成、3三金と打った駒を捨てるのが詰将棋の味。更に11手目3四桂と打ち、直ちに4二桂成と捨てて、軽快性を一層もりあげ、最終1一飛成迄。詰上り攻方の駒が2枚だけというのも駒の効率を高め、清涼感を印象づける。軽快作の特徴発揮の好局。


第七十番 山本民雄氏作

昭和43年4月「詰将棋パラダイス」

第七十番 山本 民雄氏作
7三銀 7五玉 6四銀不成 同玉 5四金まで5手詰
僅か5手詰でも、これだけの作品が作れるとは‼初手7三銀として玉を7五玉と広い方へ逃がし、3手目6四銀不成で玉を捕獲する構想には舌を巻く、5手詰の傑作。
2手目8三玉の逃げは、8二銀成、8四玉、8三金迄の5手詰。変化同手数の尾岐れだがこの様な超短篇では止むを得ないと思う。
作者は行詰まったと言われている短篇界に見事な構想を織込んで颯爽と登場。満天下の詰棋ファンをあっ、と驚かせた異能作家。


第七十一番 山口真人氏作

昭和43年5月「詰将棋パラダイス」

第七十一番 山口 真人氏作
8七銀 同玉 8六飛 7八玉 7九歩 同玉 8九飛 同玉 8三飛 7八玉
8八飛成まで11手詰
盤面銀四枚と玉のみの珍品。形にほれ、又手順にもほれるといった好作である。
初手8七銀に7七玉の逃げは、6七飛、8八玉、7八飛、9九玉、6九飛、8九合、9八飛迄。手順の見所は3手目に打った8六飛を7手目に8九飛と捨て、8三飛に打ち替えて収束に持ってゆく迄の序盤の細かい綾にある。難を言えば、四枚の銀のうち、動くのは僅か一枚の銀のみという点であろうか。


第七十二番 金田秀信氏作

昭和44年1月「近代将棋」

第七十二番 金田 秀信氏作
1二歩 2一玉 3三桂 1二玉 2三金 1一玉 2一桂成 同玉 1三桂 1一玉
4四角成まで11手詰
桂の打ち替えがテーマの作。攻方は2三金と打てれば詰めの形になるので、その目標に進めてゆく。初手1二歩は当然で玉は取らずに2一玉。ここで直ちに1三桂では3二玉と逃げられて詰まない。4一の地点からの逃路を防止する意味で3三桂。かくて待望の2三金が実現し、邪魔駒になった3三桂を1三桂に打ち替え、4四角成迄。「近代将棋」1月号の附録の同氏作品集「新春詰将棋」22番。
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