簡素図式精選(6)(近代将棋昭和54年10月号)②

第6回の続きです。
第五十七番 柏川悦夫氏作

昭和38年12月「近代将棋」

第五十七番 柏川 悦夫氏作
3三角 2四香合 1六歩 同玉 1七歩 同玉 4四角成 1六玉 3四馬 1七玉
3五馬 1六玉 1七金 1五玉 2四馬 同飛 1五香まで17手詰
珍形作品の代表作。本作は形が面白いというだけでなく、手順も仲々のもので、一手一手に微妙な変化があり、ミニ馬鋸も出現して解者を飽かせない。珍形と好手順を買われて、塚田賞と看寿賞を受賞した。この年は塚田賞連続受賞と共に名著「駒と人生」を発刊され、作者大活躍の年であった。


第五十八番 椿井弘通氏作

昭和39年1月「近代将棋」

第五十八番 椿井 弘通氏作
3四桂 1二玉 1三銀 2一玉 2二桂成 同角 1二銀成 同玉 2四桂 2一玉
3一歩成 同角 3二馬まで13手詰
軽い。実に軽い。3四桂、1三銀、と連続して駒を打ち、直ちに2二桂成、1二銀成、と捨てる。軽快派の最も得意とする手順運びだ。そして収束3一歩成と捨て、3二馬迄の詰上りは、攻方二枚のみの清涼図。
手順の難易度を云々するのではなく、簡潔な構図と、軽快な詰手順のリズムに酔って頂ければ良いのである。


第五十九番 菅野 篤氏作

昭和39年2月「詰将棋パラダイス」

第五十九番 菅野 篤氏作
1三歩 1一玉 3一龍 2一歩合 3三角成 2二桂合 1二歩成 同玉 2三馬 同玉
4一角 1二玉 2二龍 同玉 3二飛 2三玉 3五飛成 1二玉 2四桂 1一玉
1五龍 2二玉 3二角成まで23手詰
初手2一角に誘われるが同玉と応ぜられてダメ。俗な1三歩が正解と決まれば、4手目2一歩合、6手目2二桂合の選択も明快に手順が進んで行って、13手目でハタ、と手がとまる。13手目2二龍が気付き難いからだ。2二龍の発見以後は一気呵成の収束。


第六十番 花沢正純氏作

昭和39年12月「近代将棋」

第六十番 花沢 正純氏作
9九金 同玉 7七馬 8八金合 同馬 同玉 7八金 9七玉 8七金打 9八玉
8八金引 9九玉 8九金 同玉 7九馬 9九玉 8八馬まで17手詰
構図が夢幻的なら、手順も夢幻的。二枚の馬がオイデオイデをして玉を呼び戻そうとするが、玉はイヤヨイヤヨでぬるりぬるりと逃げ廻る感じの作品。4手目飛合が同馬、同玉、8七飛、9八玉、8九金で早い。9手目8七金と打ち、その金を8八-8九の地点へ、一直線に棒引きして捨てる金の動きが面白い。


第六十一番 柏川悦夫氏作

昭和40年1月「近代将棋」

第六十一番 柏川 悦夫氏作
3五飛 3四桂合 同飛 2一玉 3二金 1二玉 1三角成 同玉 2五桂 1二玉
1四飛まで11手詰
初手3五飛は、1筋へ転換を図って当然。2手目3四桂合の中合は、3五飛の1筋への転回を防ぐため。3四歩合は2二歩打があって早い。2四角を1三角成と捨て、2五桂と打ち変え、1四飛迄の鮮やかな収束。中合の手筋を初心者向に、すっきりとまとめた作品である。尚、玉方5一飛を6三角に置き変えて、初手を3五飛の限定打にする案もあるが形の広がりを嫌って、本図にしたのだろう。


第六十二番 長谷繁蔵氏作

昭和40年5月「詰将棋パラダイス」

第六十二番 長谷 繁蔵氏作
1三金 同玉 1五飛 1四角合 2三金 同玉 4一角 2二玉 3二角成 同角
1一飛成 同玉 1二金まで13手詰
独特の作風を持つ作者にしては、異色の作品で、表紙を飾るに相応しい好形、好手順である。1三金から1五飛と拠点作りをした際に、玉方1四角合が好防。以下は説明の要もあるまい。
作者はこの年前後数年間活躍した作家で、”六種不成作品”第一号を発表した。ここ数年作品発表がないのが淋しい。



柏川氏作は「詰将棋半世紀」盤上流転において前者が第9番、後者が第32番に収録されています。
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