簡素図式精選(6)(近代将棋昭和54年10月号)①

岡田敏氏の連載「簡素図式精選」の第6回です。
第五十二番 南 倫夫氏作

昭和36年7月「将棋世界」

第五十二番 南 倫夫氏作
7四桂 同角 9四桂 9三玉 8四金 9二玉 9三香 同桂 8三金 同角
9一飛成 同玉 7三角成 9二玉 8二馬まで15手詰
初手7四桂に対する9三玉の変化が、8四金以下9三香、8二桂成捨などの軽手を含み軽快に割切れており、気持が良い。
作意手順に戻って、5手目8四金と拠点を作り、9三香と退路を封鎖してから、8三金と捨てる。これが軽快派の特徴。収束9一飛成と捨て、鮮やかなまとめである。不動駒皆無と共に、一貫した軽快性を買うべき作品。


第五十三番 柏川悦夫氏作

昭和37年4月「詰将棋パラダイス」

第五十三番 柏川 悦夫氏作
2一銀 1三玉 2二銀 同玉 1四桂 同香 3三銀 1三玉 1二銀成 同玉
2一馬 同玉 2二金まで13手詰
初手は当然として、2二銀から1四桂と捨てるのが本作のポイント。7手目3三銀で詰めの体制を整えてから、1二銀成、2一馬の連続捨駒で収束となる。
“金はとどめに使え”の格言を適切に教える好サンプル。全体的に淡白で、やや薄味気味とはいえ、好形と、軽快な手順を買われて表紙を飾った。


第五十四番 佐藤勝三氏作

昭和38年1月「詰将棋パラダイス」

第五十四番 佐藤 勝三氏作
1三角 同玉 1四銀成 同玉 2六桂 2四玉 1三角 同飛 2五金まで9手詰
1三角と呼び戻して、1四銀成と捨てる、詰将棋で屢々お目にかかる好手筋だ。単発の捨駒とは異なり、二者一体となっての捨駒はかなり高級な捨駒の部類に属する。
さて、玉を1四の地点にもってきて、2六桂で3四銀にひもをつければ占めたもの。再度の1三角捨で見事に決まる。変化に備えての銀と桂の打ち換えのテーマを、盤面飛と銀のみで巧く表現している。


第五十五番 小林淳之助氏作

昭和38年1月「近代将棋」

第五十五番 小林 淳之助氏作
3四角 2一玉 4三角成 1二玉 3四馬 2一玉 1一角成 同玉 1三飛 2一玉
1二飛成まで11手詰
捨駒は1一角成のたった一回のみ。それでいて何か捨て難い味のある作品。初手3四角と打ち、4三角成から再度3四馬とゆく。3四角を馬にしておかないと、1一角成と捨てた時に、3二玉と逃げられて詰まない。形、手順共さらりとした塚田流詰将棋。
作者は”郷田五郎”のペンネームで”詰将棋パラダイス”の解説担当者として活躍し、詰将棋解説を”読物”に昇華させた功労者。


第五十六番 山中龍雄氏作

昭和38年11月「近代将棋」

第五十六番 山中 龍雄氏作
1四飛 2三玉 3五桂 3二玉 3三銀 同銀 1二飛成 2二飛合 4三角成 3一玉
2三桂 同飛 2一馬 同飛 4三桂まで15手詰
形が実戦乱れ型なら、手順も極めて実戦的である。初手から実戦的に1四飛、2三玉、3五桂とゆく。3二玉に4三角成とゆく様では詰将棋にならない。5手目3三銀と捨てるのが妙手。同銀(同桂の変化も面白い)に対し1二飛成と突込めば、好防2二飛合が出現し、収束に味を付ける。2二飛が2三-2一の地点に動いて鮮やかな収束である。



柏川氏作は「詰将棋半世紀」駒と人生第86番に、山中氏作は「山中龍雄作品集」第69番にそれぞれ収録されています。
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