簡素図式精選(5)(近代将棋昭和54年9月号)②

第5回の続きです。
第四十六番 谷向奇道氏作

昭和33年11月「将棋世界」

第四十六番 谷向 奇道氏作
6一金 4一玉 3三桂 同龍 5一金 3一玉 4三桂 2一玉 1三桂 同龍
3一桂成 同玉 3二金まで13手詰
“一握り詰”の入選作。
形が特異であるが、手順は至って軽快。金と桂のコンビで龍の利きを消して、詰みにもってゆく。その過程の軽快な、心地良いリズム感を味わうべき作品。
作者は有名な谷向兄弟の兄の方である。弟は奇龍と号し、難解な無仕掛物を得意とした。奇道氏には「詰将棋解剖学」の名著あり。


第四十七番 堀内孤生氏作

昭和34年5月「近代将棋」

第四十七番 堀内 孤生氏作
8四金 同角 9三金 同角 8三飛成 同角 8五金まで7手詰
盤面飛び道具ばかりとは面白い。欲を出して飛角図式にしようとして、8七香を8七飛にすれば余詰が出る(暇な方は余詰順を探されたし)。別に飛角図式にせず共、本作は充分一流品で通る。
8六への利きを消すための初手8四金は当然の着手。同角とさせて、9三金と捨てる。味な手だ。最後は8三飛成の大駒捨てでしめくくり、文句なしの好作。作者は現在も活躍中の”堀内和雄”のペンネームらしい。


第四十八番 柏川悦夫氏作

昭和34年12月「近代将棋」

第四十八番 柏川 悦夫氏作
3三桂 3一玉 5三角 4二飛合 2一金 同銀 同桂成 同玉 3一金 同馬
1一金 同玉 4四角成 2一玉 4三馬 1一玉 3三馬 2一玉 1二銀 同飛
同と 同玉 1一飛まで23手詰
この形から馬ノコが出てくるとは、思いもつかぬことだろう。4手目4二飛合が最善の応手で、而もこの飛を収束に消してしまうのは流石である。収束の馬ノコに至る迄にも、9手目3一金捨の好手を挿入して、ダレを感じさせない。


第四十九番 植田尚宏氏作

昭和35年6月「近代将棋」

第四十九番 植田 尚宏氏作
2三銀 同金 3一角 1二玉 1一金 同玉 2三桂 1二玉 1三金 2一玉
2二角成 同銀 3三桂 同銀 3一とまで15手詰
1三からの退路を防ぐ意味で3一角とやってみる。以下2一玉、1三桂、1一玉で続かない。初手2三銀と捨て金を誘ってから、3一角と打つのが正解。5手目は1一金と捨て、幸便に2三桂と跳ねればゴールは近い。2二角成、3三桂の連続捨駒で軽快に詰上る。
軽快派作品の先駆者として一世を風靡した氏の代表作と言えよう。


第五十番 坂本 薫氏作

昭和35年8月「近代将棋」

第五十番 坂本 薫氏作
1三飛 同角 4二飛 2二角 3四角 2一玉 3二飛成 同玉 4三角成 3一玉
2三桂まで11手詰
初手5二飛と打ってみる。4二桂合で詰まない。では3二飛はどうか。2一玉でダメ。といった風に紛れに落入ると仲々手ごわい。初手1三飛の限定打が好手。同角と取らせて、4二飛の限定打。2二角引がしゃれた応手。次いで第三発目の3四角の限定打から、3二飛成捨てで軽快な収束。”大駒三枚限定打”の好作。昭和52年1月、藤井国夫氏が詰パラに同一作を発表。悲運に涙をのんだ。


第五十一番 長谷川佳邦氏作

昭和36年5月「近代将棋」

第五十一番 長谷川 佳邦氏作
1一歩成 同玉 4四角 3三歩合 同角成 2二香合 同馬 同玉 3一角 2一玉
2二香 1一玉 1二歩 同玉 1三歩 1一玉 2一香成 同玉 1二歩成 同玉
3二飛成 1一玉 2二龍まで23手詰
本作の生命は、形の簡潔さは勿論だが、3手目4四角に対する3三歩合の中合、及び6手目2二香合である。玉方の受けの好手を主題にした作品は、攻方に余程の好手を配さない限り、無味な作品となる。本作が無味の域を脱したかどうか。今一歩と言う所だろう。



柏川氏作は「詰将棋半世紀」駒と人生第73番に収録されています。


「続・塚田賞作品の魅力の掲載を終えて」でも書きましたが、少し先の事も考えて、更新頻度をやや減らしていきたいと考えています。
ご理解いただければと思います。
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