簡素図式精選(5)(近代将棋昭和54年9月号)①

岡田敏氏の連載「簡素図式精選」の第5回です。
第四十一番 湯村光造氏作

昭和32年7月「詰将棋パラダイス」

第四十一番 湯村 光造氏作
5九香 5八金合 同香 5七飛合 4六金 6六玉 5六金打 6七玉 5七金 6八玉
6九金 同玉 7九飛打 6八玉 7八飛引まで15手詰
香打に対する連続中合は屢々見るが、こんな簡潔な形に金、飛の連続中合が出てくるのには感嘆の外ない。この種の作品は、ともすれば収束が”牛のよだれ”の様になるのが常であるが、本作は6九金捨ての軽手で締めくくっているので申し分ない。香に対する中合物での代表作であろう。作者は精練の作風で名を知られた短篇作家。


第四十二番 北原義治氏作

昭和32年8月「将棋春秋」

第四十二番 北原 義治氏作
1三銀 同桂 2四飛 2三馬 1四桂 1二玉 2一銀 1一玉 2二桂成 同玉
3二飛成 1一玉 1二銀成 同馬 2一飛成 同馬 2三桂まで17手詰
これぞ北原流捌きの極致。捨駒に始まり、捨駒に終る。駒の性能を最大限に発揮し、軽快な手順に終始する。玉方4五馬は巧妙な配置で、4手目2三馬引の応手に北原氏の体臭を強く感じる。五月の薫風の如き、さわやかな心地良さを味わったことだろう。
「将棋春秋」の表紙を飾った傑作。


第四十三番 近藤 孝氏作

昭和32年9月「近代将棋」

第四十三番 近藤 孝氏作
3五角 2四飛合 1四銀 1二玉 2三馬 同飛 1三角成 同飛 2四桂 2一玉
3二とまで11手詰
いっぱしの詰将棋作家なら、この筋は充分承知している。だが、詰将棋を覚えて間もない人は、その巧妙さにビックリするだろう。
初手3五角に対し、作意は飛合だが、2四金合はどうか。以下2五桂、同桂、2二銀、1二玉、1一銀成、同玉、4四角、1二玉、2二角成迄同手数駒余り。
飛合をさせ、以後連続馬、角捨てにより、合駒の飛を動かせて詰める作品の好見本作。


第四十四番 近藤 孝氏作

昭和33年5月「近代将棋」

第四十四番 近藤 孝氏作
2九銀 1九玉 3八銀 3九角合 同飛 2八玉 3七銀 3九玉 9三角 2九玉
3八銀 同玉 4八角成 2九玉 3八銀 1八玉 2九銀打 1九玉 2八銀 同歩成
同銀 1八玉 1九玉 2八玉 2九歩 1九玉 3七馬 1八玉 2八馬まで29手詰
作者の力と偶然の神様との共同作業により出来た作品。持駒銀四枚を巧みに操って、詰めにもってゆく過程にのめり込んでしまう。4手目3九角合が胡椒の味。第11期塚田賞。


第四十五番 小塚鍈章氏作

昭和33年7月「近代将棋」

第四十五番 小塚 鍈章氏作
1五香 1四桂合 同香 同銀 2四桂 1三玉 2二銀 同金 1二桂成 同金
4六角まで11手詰
初手1五香は合駒をかせぐのと、1四の地点をふさぐ両方の意味をもった着手。頭の利く合駒、例えば歩合なら、同香と切っておとし、1三歩、同玉、2四銀以下同手数駒余りとなる変化手順。よって2手目は1四桂合の一手。5手目2四桂から2二銀と捨て、金を呼び寄せてから、1二桂成は好感のもてる、詰将棋らしい好手。最終4六角までの詰上りも気がきいている。
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