簡素図式精選(4)(近代将棋昭和54年8月号)①

岡田敏氏の連載「簡素図式精選」の第4回です。
第三十一番 西田みのる氏作

昭和31年1月「将棋世界」

第三十一番 西田 みのる氏作
2三角 2二玉 3三角成 同玉 3四金 2二玉 3二角成 同玉 5二飛 3一玉
4二飛成まで11手詰
実に簡素な実戦形に軽快な手順が表現されている。初手2三角に同玉は2四飛、3二玉、3一角成、4三玉、5三金、3三玉、4二馬迄。又3手目3三角成に同桂は、2一飛、同玉、3二金迄と何れの変化にも軽快な手順が現われて申し分ない。
3二角成と捨てて、はなし飛車の収束も調和がとれて居り、二枚角捨てを主題にした実戦型好短篇。


第三十二番 田辺国夫氏作

昭和31年9月「詰将棋パラダイス」

第三十二番 田辺 国夫氏作
8八銀引 8九玉 7八銀 9八玉 8七銀右 8九玉 9八銀 同玉 9五飛 8九玉
9九飛まで11手詰
玉を中心に左右に対称的に配置されている形が面白い。易しそうでありながら、結構紛れがあり、迷い込むと仲々正路を歩めない。初手8八銀下ルが正解の第一歩。次いで7九銀が7八→8七→9八と動いて消えてゆく味が本作の生命である。銀の動きを賞味すべき作品。
作者は当時の短篇界に新風を吹き込み、第4期、第8期塚田賞短篇賞を受賞した。


第三十三番 平井孝雄氏作

昭和31年9月「近代将棋」

第三十三番 平井 孝雄氏作
7八銀 7九玉 8八銀 同玉 7七銀打 9七玉 8六銀打 9六玉 8七銀 同玉
8八龍 9六玉 9七龍まで13手詰
盤面龍と玉のみの二枚に、持駒が銀四枚という珍作。初手9八銀とゆきたい心理の逆をついて、7八銀と打つのが面白い。7八銀に対し9八玉の逃げは、7七銀上以下簡単。7八銀と据えた銀を8七銀と捨てて収束に持ってゆくのを始め、銀の運用に妙味のある作。作者はこのような珍形作品に異才を発揮した。
第8期塚田賞佳作賞受賞作。


第三十四番 巨椋鴻之介氏作

昭和31年11月「将棋春秋」

第三十四番 巨椋 鴻之介氏作
3四桂 同金 2三飛 1二玉 2一飛成 同金 3四角成 1一玉 1二馬 同玉
2三金 1一玉 2一角成 同玉 2二金打まで15手詰
初手3四桂の軽手に始まり、2一飛成の好手、1二馬の妙手等を含み、詰上りミニ煙詰と文句のない作品。
初手3四桂に1二玉は、1一飛、同玉、2一角成、同金、同角成、同玉、2二金迄。
作者は長篇趣向作に一時代を築いた人。短篇、中篇、長篇と何でも作るが、中、長篇に構想物に数々の傑作を残している。


第三十五番 北原義治氏作

昭和32年3月「将棋春秋」

第三十五番 北原 義治氏作
2五桂 同銀 1二角成 同玉 2四銀 2一玉 1二飛成 同玉 2三銀打 2一玉
2二銀打まで11手詰
詰上りを見て、アッと驚く為五郎。この形から詰上りに銀のノベボウが出てくるとは、夢想だにしなかったことだろう。収束3手目1一玉と逃げれば”銀のノベボウ”にならない、なんていうのは昭和50年代に入ってからのこと。この時代には、2一玉と逃げ”銀のノベボウ”で充分通っていた。2四桂に始まり1二の地点へ角と飛を捨てる見事な手順とユーモア精神は大いに買える。


田辺氏の2作品を掲げます。

第4期塚田賞短篇賞受賞作(新・王将昭和29年9月号)



第8期塚田賞短篇賞受賞作(近代将棋昭和31年7月号)


残念ながら、3手目4四龍でも詰んでしまうようです(金子義隆氏報)。

「近代将棋図式精選」短編の部において、前者は第15番・後者は第22番に収録されています。


巨椋氏作は「禁じられた遊び」禁じられた遊び第1番に収録されています。
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田辺氏作

いつも勉強させていただいております。
田辺氏作(S31年7月号作)は3手目44龍と銀を取る余詰がありますので、一言触れておいた方が良いと思いますが...。

金子義隆さんへ

情報ありがとうございます。
「詰将棋トライアスロン」の更新、楽しみにしております。

塚田賞受賞作は余詰チェックを掛けたのですが、時間不足でした。
追記させていただきます。
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