簡素図式精選(3)(近代将棋昭和54年7月号)②

第3回の続きです。
第二十五番 桧垣浩男氏作

昭和30年1月「詰将棋パラダイス」

第二十五番 桧垣 浩男氏作
2一角 同玉 4一飛 3一桂合 3二角 2二玉 2一金 3二玉 3一金 2二玉
3四桂 同歩 4二飛成 1一玉 2一金 同玉 3三桂 1一玉 3一龍 1二玉
2一龍まで21手詰
無仕掛け作品は一般的にゴヂャゴヂャした手順で構成されるが、本作はスッキリした手順が表現されている。初手2一角から4一飛と手掛りを作り、3一桂合に対し、3二角といくのがポイント。以下は合駒の桂を幸便にもぎとり、軽快な収束である。


第二十六番 伊藤明治氏作

昭和30年2月「詰将棋パラダイス」

第二十六番 伊藤 明治氏作
2一桂成 同角 3三角 2二桂合 2三桂 1二玉 2四桂 1三玉 2五桂 1四玉
1二桂成 3四桂 1三成桂まで13手詰
桂の詰将棋。2筋に桂が四枚ずらりと並ぶ姿はユーモア満点である。手順にも結構紛れがあり、頭の丸い角と桂を総動員して詰め上げる辺り、えも言えぬ味がある。
3三角に対し2二桂合と頑張った所で、手駒の桂を、ポンポンポンと三枚続けて打ち、続いて、攻防の桂がお互いにポンポンと跳ねて終りになる軽妙な好短篇。


第二十七番 武田 昇氏作

昭和30年4月「詰将棋パラダイス」

第二十七番 武田 昇氏作
1一角成 同玉 3三角 1二玉 2 一銀 同玉 2二金まで7手詰
角の打ち換えがテーマの作品。5五角を3三角に打ち換える。その意味は5手目2一銀の変化1三玉と逃げた時に、攻方に2四の地点への利きが必要なため。初手1一角成に対し1三玉の逃げは3五角、同銀、2三金迄で、この変化も作品に味を付けている。
超短篇にはっきりとしたテーマを持たせ、而も形、手順、変化、紛れが何れも適当であり、この筋の作品の決定版と言えよう。
初心者向啓蒙作品として絶好であろう。


第二十八番 北川 明氏作

昭和30年7月「近代将棋」

第二十八番 北川 明氏作
3四角 1三玉 2五桂 2四玉 2三角成 同玉 3三角成 1四玉 1五金まで9手詰
解く側から言えば初手3四角と打ち、3手目2五桂とおさえて、一転して2三角成で終りと思うだろう。が作る側から言えば、攻方4四角の配置は絶妙と感じる。解く側の単なる素材にすぎぬ、という声に対し、作者の単純化に至る苦労を認めてほしい、という声が聞えてきそうだ。この形から持駒を変えるだけで二、三の作品が出来ると思う。
玄人好みの渋い好作品である。


第二十九番 何 敦美氏作

昭和30年8月「近代将棋」

第二十九番 何 敦美氏作
3三角 9七玉 4二角成 8八玉 7七銀 9九玉 8八銀 8九玉 9八銀 同玉
9七馬 8九玉 6九飛 7八玉 8七馬まで15手詰
作意手順だけ見ると捨駒も7七銀と、9八銀があるだけで、パッとしない様に感じる。が、本作の面白さは、5手目7七銀から8八銀といく一風変った捌きにある。7七銀に対し8九玉は、7八銀、9九玉、6九飛、9八玉、4三馬、9七玉、8七馬迄。ユニークな初形に、ユニークな手順が買われて、第6期塚田賞新人賞を受賞した。


第三十番 桑原辰雄氏作

昭和30年9月「近代将棋」

第三十番 桑原 辰雄氏作
2四桂 2一玉 4三馬 同金 2三飛 2二歩合 3二桂成 同玉 4三飛成 2一玉
3二金 1二玉 2二金 同玉 2三桂成 1一玉 1二歩 2一玉 3二龍まで19手詰
かなり手数はあるが、手としては3手目4三馬の剛手一発で終っている。7手目3二桂成と捨てた後は、長篇の収束を見ている様な感じでゆるんでしまったのは惜しい。
難解実戦型の作者として定評があるだけに右の様な評が出てくるわけだが、それでも初手4二飛の紛れもあり、好作と言えよう。



桑原氏作は「妙義図式」第14番に収録されています。
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