簡素図式精選(3)(近代将棋昭和54年7月号)①

岡田敏氏の連載「簡素図式精選」の第3回です。
第二十番 柏川悦夫氏作

昭和27年10月「将棋評論」

第二十番 柏川 悦夫氏作
5三銀不成 4一玉 1四角 3一玉 3二銀 2二玉 3三桂成 1一玉 2一銀成 同玉
3二角成 1二玉 2二馬まで13手詰
盤面「1」の字の曲詰。初手5三銀不成と指した意味が、7手目3三桂成と捨てた時に分る。3手目1四角と打つ遠角に合が出来ないのが面白い。1四角の遠角と、初手5三銀不成とを巧くかみ合せて作った軽妙作。
5手目に打った3二銀を収束に捨てて詰め上げるあたり、流石に詰将棋の本道を歩む作者である。


第二十一番 猪瀬達郎氏作

昭和28年5月「詰棋界」

第二十一番 猪瀬 達郎氏作
2八銀 同玉 3八金引 2九玉 3九金 同玉 4九金寄 2九玉 3八銀 1九玉
2八銀 同玉 2七金 1八玉 2九銀打 1九玉 2八銀 1八玉 2九銀 同玉
3九金 1八玉 1七金まで23手詰
斜一線に並んだ金四枚が視覚美を訴える。持駒銀四枚が趣向性を訴える。詰手順も凡ではない。微妙な綾があって解者を飽かせず、不思議なリズムがある。難解性のないのが、作品にプラス要因になっており、珍形作品の代表作であると同時に、史上不滅の名作。


第二十二番 富田忠男氏作

昭和29年1月「風ぐるま」

第二十二番 富田 忠男氏作
1二歩 2一玉 2二歩 3一玉 3三飛成 3二銀合 5一飛成 4一歩合 2一歩成 同玉
4一龍 同銀 2二歩 1二玉 1三歩 1一玉 3一龍まで17手詰
第19番と同系統の作品。第19番では金合が出てくるが、本作では銀合が出る。
1二歩、2二歩と連打して、3三飛成で3二銀合を強要。次いで5一飛成で4一歩合を強要。以下は説明の要もあるまい。この配置から詰手順を発見しようとした作家は何名かは居る筈。早く発見した作者の功を買う。


第二十三番 奥薗幸雄氏作

昭和29年9月「風ぐるま」

第二十三番 奥薗 幸雄氏作
3二角 3一玉 2二銀 同銀 4一角成 2一玉 3二金 1二玉 2二金 同玉
4四角 3三飛合 2三銀 1三玉 3五角 同飛 1四銀成 2二玉 2三成銀 1一玉
2二銀まで21手詰
長手数詰将棋の記録保持者(八七三手)の作品。流石に鬼才の一端を見せてくれる。
変化に幅を持たせながらも、3手目2二銀、5手目4一角成とする捨駒が鮮やか。収束3手目2三成銀の所、2三馬でもよいキズがあるが、時代を考慮に入れ、敢て紹介した。


第二十四番 高井英二氏作

昭和29年9月「詰将棋パラダイス」

第二十四番 高井 英二氏作
3三銀 2三玉 2四金 1二玉 2三角 1一玉 2二銀成 同玉 3三歩成 1一玉
1二角成 同玉 2三金 1一玉 2二金まで15手詰
盤面は玉と歩の二枚。裸玉を除けば最も簡素な軽い駒配置である。
手順も軽く、初め俗に三つ重ね打ちをし、詰めの体制を作ってから、初めに打った駒を捨ててゆく。詰上り三枚。実に気持が良い。尚、初手3三銀に1三玉なら、3五角以下早く詰む。玉の逃げ方に注意せねばならないサンプルとも言えよう。収束の一基本型。



柏川氏作は「詰将棋半世紀」駒と人生第37番に収録されています。

タイトルにも示していますが、この記事は昭和54年に書かれたものです。
山本昭一氏作「メタ新世界」の発表は昭和57年のことでした。
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