簡素図式精選(2)(近代将棋昭和54年6月号)②

第2回の続きです。
第十四番 土屋 健氏作

昭和26年1月「詰将棋パラダイス」

第十四番 土屋 健氏作
6三金 7一玉 6一角成 8二玉 7二馬 9三玉 6六角成 8四飛合 8二銀 9二玉
8一銀 9一玉 8三桂 同飛 9二銀成 同玉 8三馬 同玉 8四飛 9二玉
6五馬 9一玉 6四馬 9二玉 8二馬まで25手詰
本作の狙いは7手目6六角成に対する玉方の応手8四飛合、筋に入れば一気に収束に持っていけるし、好手に乏しいのが不満と言えようか。作者は趣向作育ての親で、山田修司氏、黒川一郎氏等を世に出した。


第十五番 山田修司氏作

昭和26年9月「近代将棋」

第十五番 山田 修司氏作
1二金 同玉 1三金 同玉 2五桂 1二玉 2四桂 2一玉 1三桂 同香
1二桂成 同香 1一金まで13手詰
変化は何れも浅いが、詰心地良さは抜群。特に5手目2四桂、7手目2四桂の連打で玉を追込んだところで、一転して、1三桂、同香、1二桂成と連続の捨駒で詰上げる呼吸の鮮やかさには、思わず拍手を送りたくなる。
本作は第一回詰将棋コンクールに一位となり、近代将棋社賞を受賞した。
リズム感豊かな軽妙作。


第十六番 里見義周氏作

昭和26年10月「闘魚」4番

第十六番 里見 義周氏作
7三銀 同飛 9三銀 同飛 9一銀 同飛 7三銀 8三玉 8四金 9二玉
8二銀成 同玉 7三飛成 8一玉 7一と 9二玉 8三龍まで17手詰
玉の三方より銀の連打。それを何れも同飛とする応手と、飛の軌道の面白さ、近代的香うりを放つ好作である。
作者は古典詰将棋を脱却して、簡潔な棋形に、スマートな手順を盛込む近代詰将棋の先駆者であるが、詰将棋の理論的体系の確立者としても有名であり、その功績は大である。


第十七番 形幅 清氏作

昭和27年1月「詰将棋パラダイス」

第十七番 形幅 清氏作
3三桂 同龍 1一金 同玉 3三馬 2二金合 2一金 同玉 3二銀 同金
1三桂 同金 1一飛まで13手詰
初手3三桂は当然として、3手目1一金と捨てるのが絶妙。ここは1三桂に触手が動くが、同金とされ、作意同様に進んで収束3二銀の時、1二玉とかわされ詰まない。1三桂と捨てる時機は11手目以外にない訳。好手1一金を中心に軽手でまとめた好作。
作者形幅氏は大道棋の権威者で、著書「奇策縦横」は大道棋ファン必読の書である。


第十八番 篠原 昇氏作

昭和27年1月「詰将棋パラダイス」

第十八番 篠原 昇氏作
3一と 1一玉 1二銀 同玉 2一角 1一玉 1三飛成 同銀 2三桂 2二玉
3二角成 1二玉 1一桂成 同玉 2一馬まで15手詰
全身これ軽妙の塊。軽手3一とに始まり、1二銀と軽い捨駒が続く。7手目1三飛成が痛烈な一手で、同銀を余儀なくさせて、2三桂と打てばしめたもの。収束、1一桂成と捨てて軽妙さを盛上げる。全駒活動の軽妙作。
作者篠原氏は軽快な短篇作家で寡作。詰将棋史の文献の権威者であり、特に明治、大正時代に造詣が深く、貴重な存在である。


第十九番 山本武子氏作

昭和27年6月「詰棋界」

第十九番 山本 武子氏作
3五龍 4二玉 4四龍右 3一玉 5一龍 2二玉 4二龍左 3二金合 同龍 同玉
3三金 2一玉 2四龍 3一玉 2二龍 4一玉 4二龍まで17手詰
2手目2二玉は、2四龍左、2三金合、3三龍左、1一玉、3一龍、1二玉、2一龍、同玉、2三龍以下。
初手3五龍から4四龍右とゆくのがポイントで、一気に玉が狭くなる。後は金合を強要し、それを切って落し、3三金と打てば良い。玉を含めて使用駒3枚は珍中の珍作。



山田氏作は「夢の華」第15番に収録されています。

追記(11月14日)
里見氏作は11手目9三金で余詰のようです(第4回で触れられています)。
形幅氏作は6手目で2二金とする方が長くなり、その場合駒が余るようです。
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