続・塚田賞作品の魅力(29)(近代将棋平成9年9月号)①

森田銀杏氏の連載「続・塚田賞作品の魅力」、第29回(第79期)も3度に分けて取り上げたいと思います。
今回は短篇部門です。
第79期(平成4年1~6月号)

この年の5月号に原島利郎氏の新作十局が一局に発表されました。昭和62年9月号に続く二回目の個展です。昭和43年、デビュー当時の原島氏は高校生でしたが、「傀儡師」などの傑作長篇も発表しながら、数年で姿を消しました。59年に復活してからは短篇ばかりで毎号のように入選。軽快な手順を無駄のない駒位置で表現する独特の作風を確立されました。
この期は柏川香悦氏が短篇で九回目、林雄一氏が中篇で三回目、添川公司氏が長篇で三期連続、十回目と、ベテランばかりの受賞となりました。


第79期「塚田賞」選考投票 集計表



短篇賞 柏川香悦作


柏川香悦作(H4・6) 詰手順
26桂 同銀 24飛 同玉 35龍 ⑥同銀 33馬 14玉 17香 同桂成
26桂 同銀 15歩 同銀 23馬まで15手詰
⑥同馬は33馬、14玉、23銀まで
・同玉は45馬、24玉、33角以下
5手目の35龍捨てが本局の主眼手。これを省いて33馬…17香とすると、同銀生、26桂、同銀成とされて打歩詰は解消されません。つまり35龍捨ては同銀と取らせておくことによって26桂に同銀成と出来ないようにする伏線手。理論的に言えば、銀成による玉方の打歩詰誘致を予防する新手筋なのです!
湯村光造氏が『詰棋めいと』に連載しておられた「歩詰手筋総まくり」に触発されて創作された一号局ですが、論理性ばかりでなく、主力駒に見える38龍を捨てるという構成も見事で、紛れもたっぷりの傑作です。
岡田敏「35龍捨ての意味が面白く、打歩詰打開の新手筋とも言える作」
北原義治「不思議な筋をよう見つけ、よう無駄なくまとめたりやと拍手拍手」
服部敦「文句なしの内容」
伊藤果「まさに気迫の一作で、ゆるぎないチャレンジに敬服する」
(短篇次点の金子秀治氏作は中段玉で43角の短打に始まる清涼詰の快作でしたが、初手から33銀成…とする余詰がありましたので省略します。)



短篇次々点の堀内和雄氏作(6月号)を掲げます。



序文で言及されていた原島利郎氏作「傀儡師」(詰将棋パラダイス昭和44年5月号)も掲げておきます。



柏川氏作は「詰将棋半世紀」盤上流転第149番に収録されています。
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