続・塚田賞作品の魅力(28)(近代将棋平成9年7月号)①

森田銀杏氏の連載「続・塚田賞作品の魅力」、第28回(第78期)も3度に分けて取り上げたいと思います。
今回は短篇部門です。
第78期(平成3年7~12月号)

この年の4月に四十一周年を迎えた本誌は、11月号で通巻五百号に達しました。これを祝って、4月号には田中鵬看氏が「41」、11月号には岡田敏氏が「5」「00」の炙り出しを発表しています。
この年に初入選した作家は柴田三津雄・宮崎修二・柿沼和樹・羽木薫・丹沢山人・土屋交弘・鈴木明・金子清志・佐藤昌樹・粉作樵の十氏です。
この期は短篇が二作受賞となりました。

第78期「塚田賞」選考投票 集計表



短篇賞 三谷郁夫作


三谷郁夫作(H3・7) 詰手順
25桂 24玉 34飛 25玉 38飛 26玉 17銀 同玉 18香 27玉
16角成まで11手詰
この形では誰もが33飛、23銀合、25桂、22玉…や、22銀、12玉、13香、22玉、32飛、23玉、34飛成、13玉、25桂、12玉…のように攻めたくなり、初手から25桂と跳ぶのは24玉で切れそうなので、とても指す気になれません。
ところが、24玉に34飛打ちから38飛と開けば17銀…18香…で角成の詰形が作れるのです!初形からは想像もできない詰上り。特異感覚の難解作で、前年の初入選作に続いて二作目も受賞されたのは見事でした。
岡田敏「心理的妙手を含んだ異色作で、非常な難解作となっている」
兼井千澄「前々期の受賞作と同様に空間をうまく利用している。ポンと跳ね出す25桂だけに終わっていない」
谷口均「心理的不利感のあるやりにくい手を繋ぎ合わせた異色作。それが成功して、手数の割には相当な難解作になっている。守備駒のカラミが全くないギコチなさも、却って意外性を高める役割を担っている」
伊藤果「ドキリとする構成力で目を開かせるが、構図の広がりと不動駒の多さが気になる」


短篇賞 湯村光造作


湯村光造作(H3・10) 詰手順
17角 ②27玉 16角 同玉 39角 ⑥18歩合 17歩 26玉 28龍 27金合
同龍 同玉 37金まで13手詰
初手17角は②同龍なら53角…を用意した軽手。続く16角も気持ちの良い手で、39角の開き王手を発見して安心したのか、⑥26玉、27歩…の11手詰の誤解答が続出したそうです。
18歩の中合は同龍と呼んで打歩詰に誘致しようという玉方の防手なので取る訳には行かず、17歩から28龍で金合を強要。皮肉にもこの歩が壁となって詰上がります。
歩詰理論の大家としては軽く作った小品ですが、簡素な中段玉に仕上げて中合に意外性を持たせた辺りはさすがと言えます。
服部敦「意表をつく中合で驚異の誤解率を記録し、話題を独占」
岡田敏「簡素な形に18歩の中合が絶妙で、易しく纏めた手順が良い」
伊藤果「コンパクトな配置からの洒落たエッセンスには感心した」
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