続・塚田賞作品の魅力(26)(近代将棋平成9年4月号)②

今回は中篇部門を取り上げます。
第76期(平成2年7~12月号)

中篇賞 関 半治作


関 半治作(平成2年12月号) 詰手順
2二銀 同飛 4三角成 ④3二馬 3三桂 ⑥3一玉 2二と 同玉 2一飛 同馬
同桂成 1二玉(途中図)

途中図(12手目1二玉まで)
第76期関氏作

2二成桂 同玉 3一角 2三玉 3三金 1四玉 3二馬 2四玉
1三角成 同玉 2三馬まで23手詰
④3一玉は2二と、同玉、2一飛、1三玉、1二金、同玉、2四桂、1三玉、1一飛成、2四玉、1五龍、同玉、2五馬まで
④3二金合は3三桂、1一玉、2二と(同金なら1三飛…)、同玉、2一飛、1三玉、2四金、1二玉、2三飛成以下
3二銀合は3三桂(3一玉は4一桂成…)、1一玉、2一金、同飛、同桂成、同銀、1二飛、同銀、3三馬以下
⑥1一玉は2一金以下
3手目の4三角成までは指してみる手ですが、その変化が厄介。3二馬と盤上の駒で間に合わせるのが作意と判るまでに全てを読み切らねばなりません。
途中図まで来れば4五角と打ち、3四歩の中合に2三金、同玉、3四馬、3二玉、5四角、4一玉、6三角成、3二玉…と行きたくなりますが、これは千日手。途中図では2二成桂と引き、3一角から3三金と控えて打つのが味のある手で、これにより3二馬から1三角成捨ての綺麗な収束に入れます。
いかにも力のある作者らしい読みの入った逆算創作の妙作です。
谷口均「軽い形から重みのある好手順で、作者の実力を十二分に発揮した一局である」
植田尚宏「力強さあり」
桑原辰雄「形・手順・新鮮味等々、中篇のA級要素は堅いと思う」
伊藤果「完成品。それだけ逆に全体的インパクトに欠ける弱点もある」


中篇次点 明石六郎作


明石六郎作(平成2年9月号) 詰手順
2七と 同飛不成 2九桂 同飛不成 2六銀 ⑥同飛不成 2九桂 同飛不成
4四馬 ⑩2六桂合 同馬 同飛不成 2九桂 同飛不成 5三馬 ⑯1六玉(途中図)

途中図(16手目1六玉まで)
第76期明石氏作

2六と 同飛不成 1七歩 同玉 2九桂 1六玉 2五銀引 同飛 1七馬まで25手詰
⑥1六玉は1七銀、同玉、4四馬…で早い
⑩2六歩合は同馬、同飛成、1八歩、1六玉、3五と以下
⑯2六歩合は1八歩、1六玉、2六と、同飛成、2八桂、同龍、1七歩以下
一見して2六と・3五銀を捌いて二枚の馬で4四桂と5三歩を取る狙いと判る配置。また飛車の不成も予想の通りで、途中図の2九飛が龍なら2八桂…1七歩…で簡単です。ここからも2六と引にもう一度同飛不成が入って収束へ。手順は単純な桂打ちの反復で玉方飛車を上下に翻弄するだけのようですが、都合十回の飛不成は玉方駒不成の新記録を狙った作品なのです。それを25手に納めた辺りにも意義があるといえましょう。
伊藤果「遊びに徹していて楽しい作品。これだけ主題が明確であれば、個人的好みなど問わず好作かどうかを判別でき、これが創作の極意かも知れません」
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