続・塚田賞作品の魅力(24)(近代将棋平成9年2月号)②

今回は中篇部門を取り上げます。
第74期(平成元年7~12月号)

中篇賞 相馬康幸作


相馬康幸作(平成元年8月号) 詰手順
1三飛 ②1四合 ③同飛成 同玉 1二飛 ⑥1三合 1五銀 同玉 1三飛成 1四
⑪同龍 同玉 1二飛 1三合 同飛成 同玉 1五香 ⑱1四合 同香 同玉
1二飛 ㉒1三合 同飛成 同玉 2三金 同成香 同桂成 同玉(途中図)

途中図(28手目2三同玉まで)
第74期相馬氏作

3三飛 1四玉 1五香 同玉 1三飛成 1四合 2六成香まで35手詰
下から飛車を打つしかない形で、合駒調べの図。②1四香合や金合は同飛成…で作意に早く入り、⑥1三香合をすると1五銀、同玉、1三飛成で香合がなく、1四銀合、1六香、同玉、1四龍、1五合、2七銀まで。⑱1四飛合は同香、同玉、1二飛、1三香合、1五飛、同玉、1三飛成…で、また㉒1三香合も1五金、同玉、1三飛成…で⑥と同じになります。こうして一見、馬鹿馬鹿しいくらい単調な手順が繰り返されるうち、終に1四金合をやむなくされ、2三金…で3五桂が消えて途中図から3三飛(4三飛・5三飛も可)…で呆気なく詰上がります。
説明されると、いとも易しい作品のようですが、実際に解いてみると、着手は限られているのに、なかなか作意に入った感じがしません。また、③1六飛、同桂、3三角成、2四金合や、⑪2四龍、同玉、3三角成、同玉の後、4三飛、2四玉、2三桂成、3四玉、3三成桂、2四玉、4四飛成、1三玉…とか、5三飛、2四玉、2三桂成、3五玉、4七桂、4四玉、5五飛成、3四玉…といった紛れもあった、それほど単純ではありません。
作意は迷路的な持駒変換で延命をはかるだけの馬鹿らしいような手順なのに、何故か楽しさの残る相馬流詰将棋の典型です。
金田秀信「合駒変換という異色の作図を一応成功させている」
北原義治「かなり複雑なはずの原理を単純な装置(成香の配置もコミック調)で表現」
柏川香悦「玄人向きの作品だが、二枚の成香など苦心の跡が見える割りには今一つ物足りない」
伊藤果「持駒変換で楽しめたが、解後感がよくない」
岡田敏「複雑な持駒変換をテーマにした作だが、捨駒のない点が物足りない」


中篇次点 桑原辰雄作


桑原辰雄作(平成元年10月号) 詰手順
1四桂 同香 1三金 同桂 3一馬 同玉 4一飛 2二玉 3三馬 同金
4二飛成 3二金引 3三桂成 1一玉 1二歩 同玉 3二龍 同銀 2二金まで19手詰
3二金が質駒のように見える実戦型から香と桂を移動させて、その金の尻に3一馬と寄せるのが何とも良い手触りです。4一飛に打ち変えると、あとは3三馬から4二飛成しか手はありませんが、あくまで金を取らせないように3二金と引かれます。しかし、結局は1二歩から3二龍で金を入手して終わり。手数は長くても、短篇の味わいの佳作です。
岡田敏「実戦型に実戦的な手順で、毎度のことながら、見事なものと感心」
金田秀信「形、手順とも完成品であろう」
伊藤果「序からの三連続捨ては圧巻ですが、収束がやはり気になる」



相馬氏作は「Collection」No.10に収録されています。
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