続・塚田賞作品の魅力(20)(近代将棋平成8年10月号)②

今回は中篇部門を取り上げます。
第70期(昭和62年7~12月号)

中篇賞 角 建逸作


角 建逸作(昭和62年9月号) 詰手順
5三角 2二玉 2五香 ④2四歩合 同香 ⑥1二玉 2三香成 同玉 3五桂 1二玉
1三歩 同玉 1四歩 同玉 2五銀 1三玉 3一角成 2二飛合(途中図)

途中図(18手目2二飛合まで)
第70期角氏作

同馬 同玉 2三桂成 同玉 2四飛 1三玉 1四銀 2四玉 2五角成まで27手詰
初手の5三角は後の変化に備えた限定打ですが、3手目の香打ちは2五以遠ならどこでもよい。2四歩の中合を稼いで2三香成から3五桂と据えます(④2四桂合の場合は1二玉に2三銀…で簡単)。
1三歩、1四歩と叩いて2五銀と押さえ、3一角成と入れば飛合(途中図)が最善となり、最後は爽やかな清涼詰となります。
美しい実戦型ですが、初手から3二銀、4二玉、6四角の紛れに対しては5三飛合…の妙防が用意されています。
なお、6手目は⑥1三玉なら1四歩、2四玉、2五歩、1四玉、2六桂(2三玉は3二銀、1二玉、2一銀、1三玉、3五角成…)、1三玉、3一角成、2二飛合、2四銀、1二玉、2二馬以下(19手)もあるので、1二玉は限定です。
吉田健「好形からの緻密な手作り」
谷口均「奇麗な実戦型から飛び道具を使ったスマートな手順で、楽しめる」
柏川香悦「地味な作品だが、この形にしては内容にコクがあり、いわば天然醸造の味わい。とくに初形と詰上りの良さは珍しい」
金田秀信「好形から合駒の綾を含んで細かな手順が紡ぎ出され、解く者を酔わせる。苦心の跡を微塵も感じさせないところが凄い」


中篇次点 I・M・O作


I・M・O作(昭和62年8月号) 詰手順
5二飛 4二桂合 同飛成 3二桂合 1四桂 同歩 3一角 2三玉 3二龍 同玉
4二角左成 2三玉(途中図)

途中図(12手目2三玉まで)
第70期I・M・O氏作

2四銀 1二玉 1三銀成 同桂 2四桂 2三玉 2二角成 同玉 3二馬まで21手詰
本局も端正な実戦型です。初手5二飛(6二以遠でもよい)と離し打ちするのは、3二合なら3一角…4二角成の狙い(3二金合は同飛成…4一角…)。玉方は4二桂の中合でこれを阻止してから3二桂合をします(他の合駒は3一角…3二龍…4二角左成以下)。
作意順は、1四桂で歩を動かしておいて3一角と打ち、途中図から銀角を捌けば桂と馬による清涼詰。すっきりした手順と合わせて爽やかな印象が残ります。
桑原辰雄「形・手順とも良し」
谷口均「お得意の実戦型好形の中篇で、端の桂香を捌いて仕上げた軽やかな本作、巧いものである」
金田秀信「流れるような手順に収束の角捨ても決まっている。とてもとてもイモでないが、少し軽い感じがする」
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