続・塚田賞作品の魅力(17)(近代将棋平成8年7月号)①

森田銀杏氏の連載「続・塚田賞作品の魅力」、第17回(第67期)は3度に分けて取り上げたいと思います。
今回は短篇部門です。
第67期(昭和61年1~6月号)

第5回三手詰最優秀作
田中義昭作(昭和60年7月号)
第67期田中氏作

この期、短篇では駒三十九・添川公司・愛上夫・飯尾晃氏ら、中篇では若島正・山村浩太郎・大村光良氏ら、長篇では杉山正・墨江酔人・添川公司氏ら、ベテランと若手が入り乱れて大活躍し、誌上を賑わしました。中でも大学生だった添川公司氏が毎月のように大作を発表するのには目を見張ったものです。
なお、60年度の「三手の詰み」最優秀作には田中義昭氏作(上図)が選ばれました。


第67期「塚田賞」選考投票 集計表



短篇賞 駒三十九作


駒三十九作(昭和61年2月号) 詰手順
3八角 3七玉 4七龍 同銀不成 4九桂 3八玉 3七飛 2九玉 3九飛 2八玉
2九飛 同玉 3九金 1九玉 4六角まで15手詰
初手1九桂…の誘手もありますが、作意は3八角。同玉なら3六龍、2八玉、2九金…の詰みを見た軽手です。3七玉の躱しに4七龍と切ると、同銀成なら3三飛、3六合、4九桂、3八玉、3六飛成以下なので、同銀不成と応じます。その後は4九桂から3七飛と打ちつけて行くしかありませんが、この飛車が邪魔駒になるので3九飛…2九飛と捌き捨てると4六角までの透かし詰となりました。
銀不成や4九桂の限定打も織り込んではいますが、この作者としては軽い仕上げです。
谷口均「前半に変化・紛れがたっぷりあり、軽妙な後半の手順を引き立たせている。駒取りも厭味のない巧みな接続詞になっている」
柏川香悦「駒の少ない割には初手に紛れがあり、以下の手順も強みなく、洗練さでは今期の短篇随一と思う」
吉田健「ありきたりの手筋の組み合わせだけでこれだけの完成品をまとめ上げた作者の手腕を評価したい」
金田秀信「洗練された初形からコクのある手順。銀生や4九桂打ちなど、手の”含み”を評価したい」
伊藤果「全体にバランスがよく、品格もあり、それなりのものを持っている」


短篇次点 飯尾 晃作


飯尾 晃作(昭和61年6月号) 詰手順
3六馬 2八玉 2九銀 同玉 4九飛 2八玉 1八馬 3七玉 4八角 4六玉
6六角 3七玉 4七飛 同玉 3六馬まで15手詰
3手目の2九銀が3九玉なら3八飛…を含みにした軽手。4九飛…1八馬で玉を元の位置に戻した後、5七角を6六角に移すのが本局の主眼で、これにより4七飛捨てが実現して終わります。
不動の守備駒がちょっと気になりますが、飛角の駒繰りが美しい小品でした。
桑原辰雄「初入選ながら4八角から6六角が印象深い。形が整理されていれば一票投じたい作」
柏川香悦「形こそ少々重い感じもするが、4八角から6六角の繰り替えはちょっとした盲点。面白さは申し分なし」
植田尚宏「難解作ではないが、非常にリズムが良く、感じのいい作」
金田秀信「手品のような手順は面白いが、これ以上の形の整理が出来なかったものか」



駒氏作は「からくり箱」第55番に収録されています。
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