続・塚田賞作品の魅力(9)(近代将棋平成7年11月号)②

今回は中篇部門を取り上げます。
第59期(昭和57年1~6月号)

中篇賞 小寺秀夫作


小寺秀夫作(昭和57年6月号) 詰手順
4六角 ②3五桂合 同角 1二玉 4二龍 ⑥3二桂合 同龍 2二桂合 2四桂 1三玉
2五桂 同角 1二桂成 同玉 2三龍 同玉 2四銀成 3二玉 5三角成(途中図)

途中図(19手目5三角成まで)
第59期小寺氏作

3四桂 同香 同角 4四桂 2二玉 3一馬 同玉 3二金まで27手詰
初手4六角は5五香を質にする限定打。②1二玉の変化で、3二龍、2二桂合、2三龍、同角、1三金、同桂、2二銀成、同玉、5五角…に備えています。3五桂の中合はこれをはずすもの。次の4二龍にも3二桂の中合がはいりますが、これは⑥2二桂合、2四桂、1三玉、3二桂成…を防ぐためです。
あとは角の守備を逸らせておいて力ずくで追い、5三馬の開き王手(途中図)に3四桂跳ねから3一馬捨ての鮮やかな収束。実戦型好形から迫力ある手順が展開する傑作です。
岡田敏「実戦型に難解な手順。妙味ある桂合が何度も出て、しかも収束で3四桂跳びと再活用する辺りは文句のつけようがない。迫力満点の好中編作である」
柏川香悦「短篇のような好形から桂合が四回。とくに4二龍に対する3二桂合は絶妙。小寺氏会心の力作である」
金田秀信「初手から収束まで一手の緩みもない秀作である」


中篇次点 上田吉一作


上田吉一作(昭和57年3月号) 詰手順
2四銀 ②同歩 1四歩 2三玉 2二飛 1四玉 1二飛生 2三玉 2二銀成 3三玉
3二成銀 2三玉 2二飛成 1四玉 1一龍(途中図)

途中図(15手目1一龍まで)
第59期上田氏作

1三銀合 1五歩 2三玉 2一龍 2二桂合
3五桂 同銀 3三成銀 同玉 4三香成 2三玉 3四馬 同玉 3二龍まで29手詰
初手1四歩…や2二銀…の紛れを彷徨ったあとに発見する2四銀は爽快(②同玉は3四馬…の好手がある)。1四歩から1二飛には2三玉と躱し、3二成銀の形になって1一龍と入った途中図でようやく1三銀合になりますが、その銀は放置して、成銀と馬を捌き捨てる鮮やかな収束には嘆息が出ます。
使用駒の性能を極限まで生かした手順構成の完成品です。
植田尚宏「打歩詰棋のテクニック。銀を消す順良し」
柏川香悦「飛車の動きがまことに軽妙で、形・手順とも完璧な仕上がり」
吉田健「(打)歩詰回避の手筋を二つ入れた手順のまろやかさと、収束まで緩みのない完璧の表現に共感するところが深い」
岡田敏「作者の実力をフルに出していないようだが、軽妙に仕上がっている好作品」
金田秀信「作者の手すさびの感が深い」



上田氏作は「極光21」第45番に収録されています。

最後に、5月号に発表された中篇次々点若島正氏作を掲げます。


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